名選手は名監督になれない!? 元巨人監督「高橋由伸」も苦悩…プロ野球チームに学ぶ「理想のリーダー像」

名選手は名監督になれない!? 元巨人監督「高橋由伸」も苦悩…プロ野球チームに学ぶ「理想のリーダー像」
※画像はイメージです/PIXTA

WBCで沸き立つ日本。大谷翔平選手をはじめ、日本の野球界には多くの名選手がいます。巨人の主力選手として活躍した直後、2016年から3年間巨人の監督を務めた高橋由伸氏もそのひとりでした。名選手であった高橋氏も監督時代には理想の「リーダー像」を模索する数々の苦悩があったといいます。本記事では、高橋氏と企業のコンサルを行う株式会社識学の安藤広大代表取締役社長との対談から、組織にとっての理想の「リーダー像」について考察していきます。

「監督と選手」「監督とコーチ」それぞれの関係に苦戦

(※画像はイメージです/PIXTA)
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筆者が気になっていたのは「コーチ」との関係です。 コーチというのは、会社でいえば中間管理職のような存在です。コーチにもきちんと「権限と責任」を移譲しなければ、組織としてはうまくまわっていきません。

 

高橋さんは「監督と選手の関係」「監督とコーチの関係」に気をつけながらも、どうしても曖昧な部分が生まれてしまっていたようでした。

 

“野手に関しては、コーチに任せているなかでも、僕なりの考えや「こうしたほうがいいんじゃないか」ということは伝えていました。まずコーチを呼んで「ちょっとここが気になる。こうしたいから直接やっていいか? 横にいて聞いてくれ」と”

 

“(そこは)「上司が2人いる状態」になっていたかもしれません。ただ、上司どうしの意思疎通ははかるようにしていました。「こういう指導をしてる」「こういうやり方をした」というのは、コーチともある程度共通して持つようにしました。でも、それがよかったのかはわかりません”

 

監督が選手に直接指導する場面もあったようです。 高橋さんは野手としてのトッププレーヤーですから、指導することは悪いわけではありません。ただ組織を優先するのであれば、できればコーチを通じて指導するのがよかったかもしれません。

 

また、コーチや選手に本来は意思を持たせてはいけないところで持たせてしまっているところもあったようです。下の立場の人たちに気を使いすぎて「決める」という機能が一部停滞してしまっている印象を受けました。

「いいリーダー」になるには?

対談の後半に、高橋さんはこう仰っていました。

 

“これはいちばんの言い訳になってしまうのですが、やっぱり僕の年齢や、実績のなさゆえに、なにかものごとを動かすたびにまわりが動揺したり、反発したりしてしまったというのはありましたね。 僕の経験不足ゆえの部分があった。「もっとなにかできたのではないか」というのは、現場を離れて3年目になるいまも、ずっと頭にありますね”

 

野球とビジネスを安易に比べるのは違うかもしれませんが、筆者も前職のときにいきなり「プレイヤー」から「マネージャー」になりました。当時は部下と一緒に会社の愚痴をいったりもしていました。「リーダーは現場に近いほうがいい」とすら思っていました。よって部下も育っていかないし、リーダーとしての及第点には至っていなかったと思います。しかしその後、組織を動かす「仕組み」をきちんと理解したことで、強い組織をつくれるようになりました。いまではマネジメントで悩むことはまったくありません。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

名選手は名監督になれるのか?

 

ビジネスの世界では「なれる」というのが筆者の答えです。しかし「巨人軍の監督」という特殊な立場では、なかなか方程式どおりというわけにはいかなかったようです。若干40歳で監督に指名された高橋さん。彼の目にはなにが映っていたのでしょうか?

 

 

安藤 広大

株式会社識学

代表取締役社長

 

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