年収1,000万円でも貯蓄ゼロ…「高所得貧乏」の会社員が続出する日本の闇【税理士が解説】

年収1,000万円でも貯蓄ゼロ…「高所得貧乏」の会社員が続出する日本の闇【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「高所得貧乏」という言葉をご存知でしょうか。年収1,000万円といった高い所得がありながらも貯蓄がまったくない人のことを指します。こうした状況に陥ってしまう要因のひとつに「重税」の影響があると、税理士法人グランサーズの共同代表で税理士・公認会計士の黒瀧泰介氏はいいます。高所得者を「重税の苦しみ」から救う3つの控除について、みていきましょう。

所得税を下げる「3つ」の控除

――それではここから、所得税を下げる「3つ」の控除についてみていきましょう。

 

1.小規模企業共済

黒「小規模企業共済は、中小企業の経営者や個人事業主のための『退職金積み立て制度』です。その掛金は、全額が所得控除の対象になります。正式には『小規模企業共済等掛金控除』といいます。

 

月額最大の7万円を1年間掛けた場合、1年で7万円×12ヵ月=84万円分の所得控除を受けることが可能です。

 

――これで、どれくらい節税できるのでしょうか?

 

(中小機構より引用)
[図表3]小規模企業共済における、掛け金ごとの節税額 (中小機構より引用)

 

[図表3]は、掛金ごとの節税額一覧表です。たとえば、課税所得1,000万円の方が月7万円ずつ積み立てた場合、年間36万7,000円の節税ができます。

 

また、1年以内の前納も可能なため、今年分と翌年分を合わせて最大168万円の所得控除を得ることも可能です。

 

反対に、経営が苦しい場合には『掛金を1,000円まで減額する』という柔軟な使い方もできます。ただしこの場合、『減額した部分はその後運用されない』という点には注意が必要です。

 

したがって、余裕のある金額から積み立てていくことをおすすめします」

 

2.iDeCo(個人型確定拠出年金)

黒「iDecoは私的年金を自分で積み立てていく制度ですが、こちらも掛金の全額が所得控除の対象となるため、その年の所得税と翌年の住民税を下げることができます。また、運用で得た利益は非課税になるなど、税制的に優遇されています。

 

――掛け金の上限を教えてください。

 

[図表4]iDeCoの掛け金上限

 

黒「iDeCoに関しては、[図表4]のように、職業などによって上限が異なります。自営業者・個人事業主は月額6万8,000円、年額81万6,000円まで掛けられます。一方、経営者などで、企業型DCに加入している場合、上限は月額2万円、年額24万円になります。

 

たとえば月2万円拠出した場合、年収600万円の方の節税額は年4万8,000円、年収1000万円の方の節税額は年7万2,000円になります」

 

――同じ拠出額でも、年収が高い方が節税額が大きくなるんですね。

 

黒「先述のように、所得控除は税率を掛ける前の控除ですから、節税効果も税率に比例します。したがって、税率の高い高所得の方ほど、iDeCoの節税効果は大きくなるといえます」

 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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