年収1,000万円でも貯蓄ゼロ…「高所得貧乏」の会社員が続出する日本の闇【税理士が解説】

年収1,000万円でも貯蓄ゼロ…「高所得貧乏」の会社員が続出する日本の闇【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「高所得貧乏」という言葉をご存知でしょうか。年収1,000万円といった高い所得がありながらも貯蓄がまったくない人のことを指します。こうした状況に陥ってしまう要因のひとつに「重税」の影響があると、税理士法人グランサーズの共同代表で税理士・公認会計士の黒瀧泰介氏はいいます。高所得者を「重税の苦しみ」から救う3つの控除について、みていきましょう。

「医療費控除」はレーシック手術も対象に

3.医療費控除

黒「『医療費控除』とは、原則として、自分や家族の医療費を1年間に10万円を超えて支払った場合、一定の所得控除が受けられるというものです。

 

「1年間に支払った医療費」-「保険金などの各種補てん金」-10万円


で計算した額が、医療費控除の控除額となります。

 

上限200万円までの控除枠があるため、高額な費用がかかる治療などは、所得の多い年度にまとめて行うことで医療費控除を有効活用でき、節税効果が高くなります。

 

医療費控除の対象は、[図表5]をご覧ください。

 

(出典:国税庁「医療費控除の対象となる医療費」)
[図表5]医療費控除の対象 (出典:国税庁「医療費控除の対象となる医療費」)

 

上記のように、かなり多岐にわたっています。治療費や医薬品の購入費、それから入院の際の食事代や通院にかかる公共交通機関の運賃なども対象になります」

 

――歯の治療費なども対象になるのでしょうか?

 

黒「治療目的の診療費は対象ですが、美容目的で歯列矯正を受ける費用は、原則として控除の対象外です。ただし、発育途中の子供の、治療を目的とする歯列矯正は対象内です。また、意外かもしれませんが、レーシック手術も医療費控除の対象となります」

 

――レーシックは保険適用外のため、治療費数十万円が自己負担になるので、これは覚えておきたいですね。

会社員と個人事業主で異なる…控除の「注意点」

――最後に、控除を受ける際の注意点を教えてください。

 

黒「所得控除や税額控除の適用を受けるためには、原則として確定申告が必要です。個人事業主は毎年確定申告をしなければ控除を受けることはできませんし、サラリーマンも一定の場合には確定申告が必要です。

 

サラリーマンの場合

サラリーマンは、会社で年末調整をしてくれるため、通常は確定申告は不要です。しかし、医療費控除、寄附金控除などについては確定申告をする必要があります。また、住宅ローン控除の適用を受けるためには、初年度は必ず確定申告をする必要があります。

 

個人事業主などの場合

個人事業主は、毎年確定申告をしなければなりません。適用できる控除があるのに、確定申告で申告をし忘れてしまうと、その分多く税金を払うことになってしまいますので、注意しましょう。

 

――控除を活用することで、手元に残るお金に差が出ることがわかりました。しかもこれらは、国が制度として用意している、完全に合法なものです。漏れがないよう、どんどん活用していきましょう。

 

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黒瀧 泰介

税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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