「役員社宅制度」とは
――まず、「役員社宅制度」とはどういうものですか?
黒瀧氏(以下、黒)「役員社宅はその名の通り、役員が利用する社宅制度です。役員社宅の導入により、会社は家賃の一部を経費にできて、役員は手取りを増やせるということで、会社としても社長個人としても得をする、いわばWin-Winの制度といえます」
――会社は、どのような手順で役員社宅を貸し出すのでしょうか。
黒「手順としては、
2.そして、その物件を社宅として役員に貸す
3.役員からは会社が設定した「家賃相当額」を受け取る
という流れになります。
これにより、会社が支払う家賃と、役員から徴収する「家賃相当額」の差額を、会社の損金とすることができます」
「役員社宅」として認められるための「3つ」の条件
――役員社宅として認められるためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
黒「役員社宅として認められるためのポイントとしてはまず、必ず「法人名義」で借りることが重要です。役員個人の名義で契約していると、会社側の家賃負担分は『住宅手当』扱いになり、課税されてしまいます。また、支払いを個人で行うと、経費計上が否認される恐れがあります。
さらに、『必ず役員本人が家賃の一部を自己負担する』というのもポイントです。国税庁によれば、役員に社宅を貸す場合、役員から一定額の家賃を受け取っていれば、給与として課税されることはありません※。
※ 「役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から1ヵ月あたり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)を受け取っていれば、給与として課税されません」(国税庁タックスアンサー No.2600より)
しかし、その一定額以上、あるいは家賃全額を会社負担にしてしまうと、税務調査で役員に対する現物給与とみなされ、課税される恐れがあります。
役員社宅として認められる要件として、
2.大家への家賃の支払いも法人が直接行う
3.役員本人が家賃の一部を自己負担する
という3点を押さえておいてください」
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