自分の年金を自分でつくる「iDeCo」の活用
iDeCoは、「自分の年金を自分でつくる制度」です。2022年10月からは、すべての人が原則、加入できるようになりました。なぜ、いま国が力を入れているのかについて説明しましょう。
20歳から60歳までの日本国民全員が加入しているのが、「国民年金」です。
公務員と会社員は、「厚生年金」にも加入しています。勤める会社によっては、それぞれ独自の「企業年金」を設けているケースもあります。
しかし、コンサルティングを行っていると、「公的年金制度は大丈夫なのか?」という声も寄せられます。
公的年金制度そのものについては、日本という国によほどのことがない限り破綻の心配はないと考えていいかもしれません。しかし、受給できる年齢が引き上げられたり、受給額が下がったりする可能性は十分にあります。
生涯もらえる公的年金は、老後の生活を支える“土台”になる存在ではあるものの、それだけで生活をしていくことは難しいでしょう。つまりこれからは、自分で老後資金を用意する必要があります。
そのために、自分で老後資金を積み立てて、将来手にできる年金に上乗せしましょうというのが、「iDeCo」です。「国が応援するので、老後資金を自分でつくってください」という制度と捉えることもできます。
いまのような超低金利の時代では、銀行にお金を預けているだけではお金は増えません。
金利0.002%の通常の定期預金に毎月3万円ずつ20年間積み立てたとしても、20年後に受け取れる金額は、預けたお金と利息を合わせて約720万1,400円です。利息は、たったの約1,400円しかありません。
では、定期預金の代わりに投資信託を利用した場合はどうでしょうか。
同じように毎月3万円ずつ20年間積み立てると、平均利回り3%だと想定した場合、20年後に受け取れる金額は約930万円になります。運用益は、約210万円です。
さらに、同じ投資信託を用いてiDeCo(2万円)とつみたてNISA(1万円)で積み立てた場合、20年後の運用益は約260万円になります。先ほどより50万円多くもらえるのは、利益が非課税になるからです。
「1,400円」と、「260万円」。
どちらを選択するか、考えるまでもないと思います。
いまの例は、利回り3%で20年間でしたが、積み立てる期間が長ければ長いほど、また利回りが高くなるほど、さらにその差は大きくなります。つまり、iDeCoはなるべく早くはじめたほうがお得だということです。