iDeCoを始める5つのステップ
もちろん3%という利回りがこれから先も約束されているわけではありませんが、[図表2][図表3]をご覧ください。
1995年から2015年の過去20年、日本の株と債券、外国の株と債券に積立投資したら、リーマンショックなどがあったにもかかわらず、平均利回りは4%だったという実績があります。
それでは、先に紹介した、はじめるまでのステップに沿って解説しましょう。
◆ステップ1. 加入資格を確認する
iDeCoは、65歳未満で国民年金保険料を納付している人なら、いつでも加入できます。未納の場合や免除されている人は加入できないので注意してください。
◆ステップ2. 金融機関を選ぶ
iDeCoをはじめるには、証券会社、銀行、保険会社などで口座を開設する必要があります。
金融機関の選び方のポイントは、口座管理手数料、商品ラインナップ、サポート体制となります。年金を受け取るまで長期にわたって払い続けることになる口座管理手数料は、安いところと高いところでは約500円の差があります。
商品ラインナップは金融機関によって異なり、同じ商品をどこでも買えるわけではありません。また、困ったときに相談できるサポート体制も金融機関によってばらつきがあります。
ふだん使っている銀行だからという理由で安易に考えることなく、吟味してから選ぶようにしましょう。ひとりの加入者が選べる金融機関はひとつだけです。口座開設したあとに金融機関を変えることは可能ですが、手続きに数カ月要します。
◆ステップ3. 加入手続きをする
金融機関を選んだら加入手続きです。窓口もしくはインターネットで申込書類を申請し、必要事項を書き込んで返送しましょう。インターネット上で申込が完了する場合もあります。会社員や公務員の人は、勤務先に証明書を記入してもらう必要があります。
ここから審査があり、運用開始まで1~2カ月かかります。
◆ステップ4. 掛金を決める
掛金は、毎月5,000円から1,000円単位で決めることができ、年に1回だけ金額変更ができます。掛金の上限は働き方によって異なり、自営業者は月額6万8,000円、専業主婦は月額2万3,000円になります([図表4]参照)。
iDeCoは、原則60歳まで引き出せないので、無理のない金額を設定するようにしましょう。
◆ステップ5.運用商品を選ぶ
最後に、どの商品に投資するかを決めます。
iDeCoで運用する商品は大きく分けると、「元本確保型」と「投資信託」になります。
元本確保型には「定期預金」と「保険」があり、どちらも満期まで保有すると、元本割れすることはありません。
ただし、一般的な定期預金や貯蓄型の保険と同様に、ほとんどお金が増えることはないと考えておいたほうがいいでしょう。
掛金のすべてを投資信託に投資しなくても構いませんが、わたしは、iDeCoをはじめるなら、投資信託も組み合わせることをおすすめしています。