(※写真はイメージです/PIXTA)

近年、企業の“IT戦略の柱”としてDXを進める企業が増えています。DXが実現できれば、「生産性向上」や「新たな事業創出」など、企業にとってさまざまなメリットを享受できる一方、「実際にDX推進に成功している企業はそう多くない」と、株式会社GeNEE代表取締役社長の日向野卓也氏はいいます。今回は、DXが「失敗に終わってしまう根本原因」とその回避策についてみていきましょう。

DX推進が失敗に終わる企業の「6つの根本原因」

前述の課題を乗り越えたあとでも、DX推進が失敗に終わってしまうことがあります。主に以下の6つの根本原因が挙げられるでしょう。

 

1.経営幹部層が最後までコミットできない

DXは最終的には全社的に取り組む課題であるため、1つの部署単体で行うのではなく、経営幹部層からトップダウン的に行う必要があります。経営層が主体となって取り組み、その企業が新しいことに挑戦できる環境であることを社員全員が意識することで、DXは成功につながります。

 

しかし、DX推進に失敗する企業の場合、一度経営幹部層が取り組むべき課題と認知しても、実際はIT部門に丸投げになってしまったり、DX推進の優先順位を下げてしまったりと幹部層が最後まで責任を持って関わらないケースが散見されます。

 

このような状況では全社的な意思統一ができず、最終的にDX推進が失敗に終わってしまう可能性が高くなります。

 

2.「主導者」の人選ミス

DX推進の「主導者」は、経営幹部層とコミュニケーションをとり、場合に応じてトップダウンで全社的に指示を出せる人物である必要があります。また、DX推進の性質上、既存の業務に強い課題感を持って積極的に動ける人が望ましいところです。したがって、主導者には社内でも力があり、行動力に優れている人を採用するべきでしょう。

 

しかし、DX推進を単なる「ITプロジェクト」と捉え、軽視した人員配置を行ってしまうと、たとえば保守的な人物が主導者になった場合力強い判断ができず、DX推進が失敗してしまう可能性があります。

 

3.社内の反対意見に屈してしまう

DXを推進することで業務プロセスが大きく変わってしまったり、これまでとは操作方法がまったく異なるシステムの導入で慣れるまで混乱を生むケースもあるでしょう。

 

そうなると、実際に現場でシステムを操作するユーザーやそれまでの業務プロセスで十分効率がよいと考えている従業員にとって、DX推進はただの足かせでしかなく、猛烈に反発してくることも予想されます。

 

DX推進の際には、このような反発を予想したうえで、事前にDXに関わるすべての部門長を納得させ、周知してもらう必要があります。

 

しかし、この予測やコントロールがうまくできず、部門長を説得できないまま推し進めるとDX推進は失敗に終わるでしょう。反対意見をいかに抑え込むかということも、DX推進において非常に重要な点です。

 

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