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対話会は自発的に集まったほうが充実する
ワールドカフェは情報共有と共感を重視します。
テーマはその組織が今話し合ったほうがいいと思う課題から、問いをデザインするといいです。限られた時間内で共感力を高めていくには、組織課題の本質的なものを取り上げたほうが望ましいからです。
「私たちはどんな会社であって欲しいと思っているのだろうか」「この課題を解決するのに、私たちが最初に取り組むのはなんだろうか」「私たちは十年後、どんな働き方をしていたいと思っているのだろうか」といった抽象的、未来に目を向けるようなテーマや各人の「良くしたい」という思いを喚起する問いをポジティブな疑問文に設計します。
「業務のレベルが低い」を主題として話し合いたいのであれば、「われわれはどのレベルで仕事をしたいと思っているのだろうか」といったことをテーマにします。そうすると放っておいても、「やはり顧客に喜んでもらわないとだめだ」という方向に話が進みます。
なお、ワールドカフェでは、無理に結論を出さなくてもよいです。結論を出そうとすると、誰に責任があるのかなど、追及する空気になりやすいからです。
OSTは、テーマも自分たちで決めます。最初に「責任と情熱をもって、あなたが話し合いたいテーマを一つ書いてください」と伝えたのち、各自で書いたテーマをホワイトボードに貼ってもらいます。テーマをながめて、誰がどこへ参加するのか、市場で買い物しているように全員でわいわいと決めていきます。
テーマが決まればテーブルに分かれて話し合います。OSTには自由移動の原則があるので、そのテーマに関心がもてなかったり、話し合いに貢献できないと思ったりしたらいつでもほかのテーマのテーブルに移動できますので、テーブルに集まっているのは、そのテーマについて情熱と関心、責任をもって話し合いたい人だけです。
全員が前向きなので話し合いは非常に気持ちよく、楽しいものになります。また「普段の会議にはなぜこの楽しさがないんだろう」ということに気づくきっかけにもなります。
■対話会はガス抜きではない
対話会は自由参加です。人を集めたいからといって、「各部署から最低3人出席」などと強制しないことが大切です。「楽しいことをやっているから、よかったら来てね」というスタンスを貫くのです。軌道に乗るまでに時間は少々かかりますが、自発的に集まってきたほうが、対話会は充実します。
対話会を行う場合は担当者が必要になります。そこで、キーパーソンに連絡係や議事録などの役割をお願いするのです。キーパーソンを単なる事務方にしておくのは動きやすくするためです。
というのも、リーダーをつくるとどうしてもヒエラルキーが発生し、社員は「リーダー、次はなにをすればいいですか」という他人まかせの思考になってしまいます。キーパーソンはあくまでも担当者であり、「俺は一人でできないから、みんな頼むね」というスタンスでいます。チームの共感力が高まると、社員のなかから「私も手伝っていいですか」と、新たなキーパーソンが現れることもあります。
このような対話会を通じて、社員たちに心理的安全性と質の高い対話とはなにかを、身をもって感じてもらいます。立場や忖度などを脇に置くと対話の気持ちよさを感じられるので自己開示が始まります。「実は私ね」という発言に「俺も本当はそう思っていたんだよ」と応じる人が現れ、普段はできないような会話になります。
批判する人は誰もおらず、「対話って大事だな」「あいさつもしたほうがいいね」「コミュニケーションはこうやって取るんだ」ということを分かってもらえます。対話会は一面ではそういったトレーニングなのです。幹部や経営者が入ってくるのも大歓迎ですが、ルールとして、役職や立場は全部脇に置いて参加してもらいます。
これが本当のコミュニケーションだという声が出始めたらその対話会はうまくいっています。対話会を重ねることで、トゲトゲとしていた社員間の空気が和気あいあいとして部門間の連携度も向上していきます。
森田 満昭
株式会社ミライズ創研 代表取締役