なぜ「スタバ」はテレビCMやWEB広告をしないのか?売れ続ける企業はやっている、驚きのマーケティング手法

なぜ「スタバ」はテレビCMやWEB広告をしないのか?売れ続ける企業はやっている、驚きのマーケティング手法

Starbucks CoffeeがテレビCMやWEB広告をしているのを見たことがありますか? 「スタバ」がこうした広告をしないことには理由がありますが、そこには広告で溢れるいまのような時代で、企業が競争に勝つための重要な手がかりがあるといいます。みていきましょう。

瞬時に判断される「ブランドの価値」

(出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagineコラム)
[図表1]生活者から見たブランド (出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magazineコラム)

 

生活者は、実は我々が思うよりもドライにブランドを見ています。企業が努力したそのプロセスや、複雑なビジネスの商流はまったく無視され、その「ブランドの価値」は、驚くほど瞬時に判断されてしまいます。

 

スマホのなかでは、指先だけで簡単にスキップやブロックされてしまう時代。これは、リアルの店頭でも同じ。強烈に自己主張をしていなければ、その存在にすら気づいてもらえないことも多くあります。しかも、人間は毎日「74%の情報」を翌日には忘れてしまうそうです。

価値のミスマッチ…本来的ではない買い物をする生活者

(出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagineコラム)
[図表2]広告と生活者の関係 (出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magazineコラム)

 

では、逆はどうでしょう。実は商品に差別優位性や、際立った魅力がなくても、「見せ方のうまさ」や「価格の勝負」「データをベースとしたターゲティング」などで、何度も接触してくるブランドを見たことはありませんか? 

 

そもそも、それらの商品を「ブランド」と呼んでいいかは別として、あまりにもあの手この手で出てくると……つい気になってクリック! なんてことも実際あるのではないでしょうか。継続購買は見込めなくても、興味関心を一時的に惹き、一度だけでも買ってもらおうとする商品も散見されます。

 

いろいろな価値観があるため、それらの商品を必要と思っている生活者がいるのはいいのですが、本来的ではない買い物をしてしまっているのも事実です。そんな商品のなかに、素敵な魅力のある商品やサービスが埋もれてしまうことは、本当によくない状態です。いわゆる広告のパワーゲームのなかで戦うことになってしまってはいけません。

そのお客様は「顧客」か「ファン」か

では、そんなドライな生活者に、メッセージを伝え続けなければならない負担を、どう最適化していけばいいのか? ここで重要になるのは、「顧客」と「ファン」の違いを明確に掴んでおくことです。

 

「顧客」と「ファン」の違いは図表3のように定義できます。

 

(出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagineコラム)
[図表3]「顧客」と「ファン」の違い (出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magazineコラム)

 

「顧客」の場合は、その商品を気に入って購入してくれているので、ほかにいい商品が存在しないあいだは買い続けてくれますが、優れた商品が出れば、気移りしやすい。

 

しかし、「ファン」の場合は違います。「ファン」とは、その商品を応援してくれているので、次の商品に期待してくれたり、意見をくれたり、一緒に商品を作っていくような行動さえ起こります。すぐに買うかどうかはわかりませんが、その商品の売上以外のあらゆる面を支えてくれる存在なのです。

 

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