実は、日本の2人以上の世帯の約35%が「貯蓄1,000万円」を超えています。貯蓄1,000万円は決して夢の数字ではなく、貯蓄のしくみを知り、慣れることで、誰でも実現できます。本記事では、テレビ出演をはじめ幅広く活躍しているファイナンシャルプランナーの飯村久美氏が、著書『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』から、前提として知っておくべき日本の厳しい現状について解説します。
日本経済は今後発展していけるのか
厚生労働省の人口動態統計の資料を見ると(『令和2年版 厚生労働白書』)、2040年には168万人の人が亡くなり、生まれてくる赤ちゃんは74万人しかいないと推測されています。そして2065年には、高く見積もった高位推計でも人口は1億人を切るとされます。
人口が減るということは、労働者人口も減るということを意味します。加えて早いスピードで高齢化が進んでいるため、日本の経済が発展していくには厳しい状況といわざるを得ません。
では、GDPはどうでしょうか?
GDPとは、国内で一定期間内に生産されたものやサービスの付加価値の合計金額のことで、いわば、日本がどれだけ儲けたかという指標となる金額です。
2022年のIMF(国際通貨基金)の見通しでは、他の国と比べると低い水準ですが、日本の経済成長率は1.7%との予測がされています。
成長率は、この先もしばらく上がっていくかもしれませんが、長く続いていくかとなれば、わたしはそうは思いません。
GDPの大半を占めるのは、日本で生活しているわたしたち庶民の消費です。つまり、わたしたちがお金を使わなくなれば、GDPの成長率は上がりません。
少子高齢化の問題はそう簡単には解決できませんし、それに関連して税や社会保険料も上がり続けるでしょう。また、給与の手取り額の減少も歯止めがかかりません。
マクロ視点で見た場合、明るい材料を探すほうが難しい状況です。
飯村 久美
FP事務所 アイプランニング
ファイナンシャルプランナー
FP事務所 アイプランニング
ファイナンシャルプランナー
金融機関在籍中にファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得。退職後、自らの経験から、お金の正しい知識を身につけることが「生活を守る手段」であり、「やりたいこと」や「夢」につながると痛感。その経験を伝え、その人の夢が叶うマネープランをサポートすることを目的として、2006年FP事務所を開業。テレビやラジオ出演、セミナー講師など幅広く活躍中。著書に『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』(アスコム)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)、『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)、『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)、監修書に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)などがある。
FP事務所アイプランニング:https://www.fp-iimura.jp/
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