投資すべきかどうか判断する基準
◆仕組み債、FX、暗号資産etc.…わからないものには手を出すな!
どこの世界を探しても「楽して儲かるもの」などありません。「絶対値上がりするよ」「これはいい金融商品だ」といわれても、自分でしくみやメリット・デメリットを理解できないものに投資をしてはいけません。
この超低金利の中、高い利回りを前面に出して販売されてきた「仕組み債」はしくみが複雑で理解できない金融商品の代表格です。実際にはコストが年率8~10%もかかるといわれていますから、増やすことにはつながりません。説明を受けてもしくみがわからないような商品には近づかないのが賢明です。
また、数年前には、FXやビットコインなどの暗号資産で短期的に大きな利益を得る手法が話題になったことがありました。「簡単に儲かりそう」「やってみたい」と思う人もいるかもしれません。しかしこれらは投資ではありません。
投資とは、自分のお金をそれ自体の価値が向上するものに賭ける行為のことです。
たとえば、今、2兆円の利益を上げている会社があるとします。この会社の株を買って、10年後に5兆円の利益を出したとすれば、企業価値が上がり、株価も当然上がるわけですよね。これが投資です。
FXはどうでしょう。外国為替取引は単なる両替です。通貨の交換比率が変動することで利益を得ようとするしくみで、通貨自体が新しい価値を生み出すものではありません。
価値の向上ではなく、価格の変動にお金をつぎ込むのは投資ではなく投機です。
暗号資産はどうかというと、ただの決済手段で、それ自体に価値はありません。需要と思惑で変動する価格に賭ける行為ですから、これは投機ですらなく、ただのギャンブル。
「お金を増やす」ことに執着し過ぎて、これらに手を出しても資産寿命を延ばすことにはつながりませんから、気をつけてください。
大江 加代
株式会社オフィス・リベルタス
代表取締役