(※写真はイメージです/PIXTA)

相続は争族。そう囁かれるほど、一筋縄にいかないケースが多いこの問題。それぞれが、被相続人との過去や現在の想いを膨らませ、同時に欲を膨張させることで、何かを狂わせてしまうのでしょうか…。実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、兄妹間で起こった相続問題について、尾崎祐一弁護士に解説していただきました。

疎遠状態の兄。相続分を一円も渡したくない

相談者の匿名希望さんは、父親が他界して相続が発生しました。そこで、長年疎遠だった兄に連絡。ところが、父親や妹である相談者と確執があったこともあり、「お通夜にも葬儀にも参列しない」と拒否されました。

 

しかし、相続については別問題とばかりに、自分の相続分の金銭をしっかり要求してきたといいます。

 

これまで父親と同居し、面倒を見てきた相談者。一方の兄は、その間、父親に会いにすら来ませんでした。相談者のはらわたが煮えくりかえるのも無理はありません。

 

お通夜も葬儀も参列を拒否。それでも兄には法律上の相続をする権利があることは相談者も理解はしています。とはいえ、これほど不義理な兄に、父の相続分として金銭を渡すことは到底認めたくありません。

 

「こういった場合でも、法定相続人になる兄に相続分の金銭は渡さなければいけないものなのか…」

 

相談者は、抑えきれない怒りの感情のやり場がないものか、思案しています。

 

そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に、次の3点について相談しました。

 

(1)もし遺産分割協議では話がつかず調停までいった場合、弁護士費用はどのくらいかかるのか。

 

(2)葬儀代、医療費、戒名代やお布施も全額負担しているが、遺産から差し引けるのか。

 

(3)どれだけ不義理をしていても、法的に相続分が減額されることはないのか。

どれだけ不義理をしていても減額されることはないのか?

たとえ、お兄様がお父様と疎遠であっても、それだけではお兄様の相続権を否定することはできません。

 

相続人の一人であるお兄様との関係でも相続人全員の合意が得られなければ、相続人のうちの誰かが家庭裁判所に遺産分割調停を申立てて話し合いによる解決を目指し、調停で話し合いがつかなければ、審判によって裁判官に遺産の分割方法を決めなければならないことになります。

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