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「わかった。受験しなくていいよ」と伝える“メリット”
もしわが子から「受験を諦めたい」と打ち明けられたら、親はどのように受け止めてあげるべきでしょうか? 勉強に疲れてしまった様子の子どもに対して、「何泣きごとをいっているの?」「今まで頑張ってきた苦労が水の泡じゃない」と発破をかけますか?
ちょっと待ってください。それは逆効果かもしれません。
高校時代の3年間、いえ、それよりも長い期間、頑張り続けていた人もいることでしょう。体力的・精神的に参ってしまったとはいえ「できれば合格まで頑張ってほしい」と願うのが、親心というものです。なんとかやる気を取り戻してくれる術はないものでしょうか。
「もう医学部受験を辞めたい」と打ち明けてくるくらい落ち込み、気が滅入っているならば、親のほうから「わかった。もう勉強はやめなさい。受験しなくていいよ」と伝えてあげてください。
もちろん、これは一時的なものです。大切なのは「受験を諦める」のではなく、「受験からいったん気持ちを遠ざける」ようにすることです。
一度、受験生の呪縛を解いてあげれば、彼らは一時的にのびやか、晴れやかな解放感に包まれます。勉強をやめたことで時間に余裕ができますから、スポーツや読書あるいは観たかった映画を観るなど、今までできなかったことをやってみるのも気晴らしになるでしょう。どんどん気晴らしをさせてあげてください(もしできれば映画は「ヒューマンドラマ」のジャンルを勧めてみてください)。
しかし、毎日好き放題にして過ごしていると、不思議なことに、数週間で受験生本人が「物足りなさ」を感じてきます。そして我に返るのです。「あんなに頑張っていた勉強をなぜやめたのだろう?」と。
人は、ある程度のストレスを感じていたほうが精神的に安定するといいます。ストレスが過剰になると何もかも投げ出したくなりますが、まったくなくなると、逆に不安になるのです。
特に、医学部を目指す子どもたちは大変真面目です。これまでと違った生活環境(=趣味や遊びの世界)に自分の身を置くと、勉強漬けだったときの頭の中がリセットされます。しかし、一定の時が経てば、気晴らしが退屈に思えてくるものなのです。
これまで沢山の受験生を合格に導くことができた経験からいえることですが、たとえ少しの期間を受験勉強以外に費やしたとしても、合格圏内まで学力を伸ばすことは可能です。