面接官「座右の銘は?」→受験生「死ぬこと以外かすり傷。」…医学部受験「面接で落ちた人」の回答【実話】

面接官「座右の銘は?」→受験生「死ぬこと以外かすり傷。」…医学部受験「面接で落ちた人」の回答【実話】
(※写真はイメージです/PIXTA)

年々、医学部入試における面接試験の重要性が高まっています。面接官は受験生の「誠実さ」「真面目さ」を見ているので、普段通りに話ができれば問題ありません。しかし、面接の意図を理解していない発言をしたり、合格したいあまり「悪い癖」が出たりして不合格になるケースも続出しています。学科の勉強も大切ですが、面接にも万全な対策が必要です。医学部受験専門予備校メディカ代表・亀井孝祥氏が解説します。

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    医学部受験の最終関門、「面接」

    医学部入試ではすべての大学で面接試験が課されます。どんなに学科がよくできても、面接試験で不合格になる場合もあります。

     

    まずは実際にあった例を紹介しましょう。

     

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    【①座右の銘を聞かれて…】

    面接官「座右の銘はなんですか?」

    受験生「『死ぬこと以外かすり傷』です」

     

    ⇒そのあと面接官と30分議論になったそうです。合格はもらえませんでした。

     

    【②志望理由を聞かれて…】

    面接官「医師志望理由はなんですか?」

    受験生「人間の生きた心臓を見てみたいからです。」

     

    ⇒結果として、恐らく回ってこないであろう番号の補欠になりました。

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    また面接官とのやり取りで、面接官が何を言っても「でも…、でも…、」と何度も食い下がった事例もあり、こちらも30分以上議論の末、回ってこないであろう番号の補欠になりました。

     

    「死ぬこと以外かすり傷」はそもそも実在する書籍タイトルで、受験生にとってもガッツと勇気を与えてくれる内容ですが、もし面接官がその本の内容を知らなければ説明に時間がとられますし、面接の場での発言としてはエッジが効きすぎていて、自分の気持ちがうまく伝えられない可能性があります。少し面接を甘く見すぎていたのかもしれません。

     

    本人たちは普通にやっているつもりですが、いくら多様性の時代といっても何でもいいわけではありません。各大学にはアドミッション・ポリシーがありますし、状況や目的、相手などをきちんと理解したうえで適切な発言をしないと、残念ながら受け入れてもらえないことになってしまいます。

    面接失敗例に見られる、ありがちな「悪い癖」

    上記事例の他にも、面接の失敗につながる「悪い癖」があります。

     

    ●緊張しすぎて動揺

    日ごろ経験したことのない緊張感でパニックになってしまい、言葉が出なくなり、思わず泣いてしまった。

     

    ●横柄な態度やマナー違反

    あいさつができない、しゃべり方がモゾモゾしていてはっきり聞こえない、ニヤついているなど、普段何気なくしている身振り手振りが、面接官に悪い印象を与えてしまった。

     

    ●知ったかぶりしてごまかす

    自分が知らない「最近のニュース」について質問されて、聞きかじりと想像で的外れの話をしてしまい、面接官のひんしゅくをかった。

     

    ●倫理観を疑われる答え

    医師を志望した動機として、「年収が高いこと」や「社会的に高い地位が得られる」などと答え、面接官から引かれた。

    面接で失敗しないコツは?

    ●取り繕うことなく、正直に答える

    質問されそうな内容についてすべて把握しておくのは難しいと思います。もし知らないニュースの質問をされたら、知ったかぶりせず、「申し訳ありません。勉強不足のためそのニュースは存じ上げません」など正直に答えたほうが、適当な回答で取り繕うよりむしろ好印象です。

     

    ●結論から簡潔に話す

    部活やボランティアでの経験、小論文の解説など、話が長くなりそうな質問に回答するときは、最初にもっとも伝えたいこと(=結論)を話しましょう。その経緯や理由については必要なことだけを簡潔に付け加えるようにしましょう。

     

    ●自分の姿を客観的に見ておく

    模擬面接の様子をビデオで撮影し、再生して見てみると、自分では気づかなかったヘンな癖や、姿勢の悪さ、おかしなしゃべり方などが一目瞭然です。ビデオを参考に、聞き取りやすい声の出し方や、好感が持たれる立ち居振る舞いなどを練習しておくと良いでしょう。

    志望校のアドミッション・ポリシーを熟読しておこう

    面接では、「どうして医師になりたいのか」、「どんな医師になりたいか」といった質問が必ずあります。それらに対する回答が、その大学が掲げる「アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)」と合致していなければ、その面接は失敗に終わります。

     

    それぞれの大学が「どんな人材を育てたい」という教育方針を謳っているのか把握した上で、面接に臨まなければなりません。アドミッション・ポリシーは大学ごとに異なり、国際性を求めるものや、地域社会貢献に根差したもの、学術的発展を推進するものなどさまざまです。

     

    それぞれの志望校で「地域医療に興味はあるか」、「海外で働く意志はあるか」など、アドミッション・ポリシーに則った質問もあることでしょう。面接時の混乱・混同を防ぐため、それぞれにふさわしいエピソードを事前に用意しておくことが必要です。

     

     

    亀井 孝祥

    医学部受験専門予備校メディカ 代表、数学講師

     

    愛知・東海高校から東京理科大学へ。塾講師を経て医学部受験予備校YMSにて数学科主任、教学部長など9年務めたあと、姉妹校設立のため独立。姉妹校提携解消後、医学部受験専門予備校メディカを設立。現在に至る。

     

    本記事は、医学部受験サクセスガイド『集中メディカ』ホームページのコラムを抜粋、一部改変したものです。

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