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失敗から学びながら進み続ける粘り強さ
■「やる」と決めたら必ず実行せよ。そして簡単に諦めるな!
「アイデアがあればすぐに実行する」ことの大切さは理解していても、いざ実行となると、なかなか踏み切ることができない理由の一つは「失敗への恐れ」があるからだ。
例えば、上司にアイデアを提案して、「やってみろ」と言われても、「失敗したらどうしよう」「失敗して責任を取らされるのは嫌だ」と思い悩むうちに、時間だけが過ぎていく、ということはよくあることだ。
一方、成功した起業家の多くは「アイデアがあればすぐに実行する」を苦もなくやってのけている。それを可能にしているのが生来の実験好きであり、「実験に失敗はつきものだ」という考え方だ。アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスは、こんなことを言っている。
「実験はイノベーションの鍵だ。予想通りの結果が出ることは滅多になく、多くを学べる」
「実験の回数を100回から1000回に増やせば、イノベーションの数も劇的に増える」
イノベーションには「実験」が欠かせない。そして、「実験」には「失敗」がつきものだ。挑戦して失敗すれば、誰だってがっかりするが、彼らはそれさえも次に進むためのステップだと考える。だからこそ前に進むことができるのだ。
べゾスは、アマゾンの創業にあたってこう考えていた。
「失敗を覚悟すると、心は軽くなるのです」
アマゾンの創業にあたり、ベゾスは成功確率を「30%」と考えていた。さらに自分の両親や友人たちに出資を依頼する際には、成功確率を「10%」と伝えていた。なぜなら、失っても生活に困らないお金だけを出資してほしい、と考えていたからだ。
ベゾスは、なぜそんな弱気なことを口にしたのか?
「絶対に成功するはずだ」と思い込むとリスクを軽んじる恐れがあるし、「絶対に失敗できない」となると、成功のために必要なリスク覚悟の挑戦ができなくなるからだ。
いわば、「失敗も覚悟」した上で、リスク承知の挑戦をしたことがアマゾンの成功につながったのだ。
しかし、「成功確率30%」のアマゾンと比べても、マスクが起業したスペースXはさらにリスクの高い事業だった。
実際、マスクの友人たちは、マスクが本気で宇宙ビジネスについて検討をし始めた時、ロケット爆発の映像を集めたビデオを見せて、お金の無駄遣いを阻止しようとしたくらいだ。
「イーロンのやっていることはおかしい。慈善事業だかなんだか知らないけどイカれてるね」
マスク自身も、火星に人類を送り込むプロジェクトは人をわくわくさせるものの、100%の損失を見込むものだと覚悟していた。こう話している。
「始めた当初、こう思っていました。『スペースXは確実に失敗する』」
もしかしたらどこかがスポンサーになってくれるかもしれないものの、短期間で利益が出るはずはないし、会社として大きな損失を被ることになるとも覚悟していた。それでもやらなければならない、というのがマスクの考えだった。
当たり前の話だが、確実に儲かる事業なら誰だって喜んでお金を出すし、参画しようとする。反対に失敗の可能性が滅茶苦茶高い上に、大きな損失も出る事業にあえて参画する企業はほとんどない。
日本でイノベーションが起こりづらい理由の一つとしてしばしば指摘されているのが「無謬性の原則」だ。日本の大企業や官僚機構に見られる現象で、「あるプロジェクト(政策)を成功させる責任を負った組織や当事者は、そのプロジェクト(政策)が失敗した時のことを考えたり議論してはいけない」という大原則だ。
これでは「この政策はうまくいかない」とわかったとしても、軌道修正もできなければ、やめることもできなくなってしまう。
こうした大原則が支配している企業や組織で、ジェフ・ベゾスやイーロン・マスクが生まれるはずはない。マスクの強みについて、最初の妻がこんなことを言っている。
「やると決めたら実行する人で、簡単には諦めない。それがイーロン・マスクの世界であって、その世界に暮らすのが私たちなの」
マスクが掲げるビジョンはあまりに壮大過ぎて理解しづらいところがあるし、はたしてマスクが生きているうちに達成できるかどうか、わからないものもある。
にもかかわらず、マスクがそうしたビジョンを堂々と口にして、実現に向けて挑戦し続けることができるのは、「失敗は成功に欠かせないものとして失敗を引き受ける」ことができるから。そして、「失敗から学びながら進み続ける粘り強さ」を持っているからだ。
桑原 晃弥
経済・経営ジャーナリスト
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