(※写真はイメージです/PIXTA)

志を持ち、起業。目標や夢を共有しながら、事業拡大を目指すのは、ビジネスパーソンのロマンといえるでしょう。しかし、時を経て、すれ違いが生じ、その溝が修復不能なまでに拡大してしまったら…。後々までしこりを残さないためにも、法的トラブルはなんとしても避けたいところです。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、取締役の解任について清水卓弁護士に解説していただきました。

損害賠償の内容は? 解任以外の手段はあるのか?

(※写真はイメージです/PIXTA)
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では、どのような費目がこの損害に含まれるのでしょうか。まず、役員報酬、役員賞与、退職慰労金等は、この損害に含まれると言われています。また手当等異なる名称が使用されていても、実質はこれらと同じような性質の金員と判断されれば、損害に含まれる可能性があります。

 

慰謝料や弁護士費用については、これらの損害に含まれないと述べる裁判例もありますが、含まれるとする見解もあり、争いがあるところです(なお、含まれないとしても、民法の不法行為などの別の法律構成で賠償請求される可能性もあります)。

 

報酬ゼロ円というのが、会社として正式な手続きを経た上で無報酬と取り決めていた訳ではなく、以前は役員報酬を支払っていたものの、取締役の承諾を得ずに報酬をゼロにした等の場合には、解任した取締役の残存の任期期間中の役員報酬の損害賠償義務を会社は負う可能性があります。

 

そのため、取締役の役員報酬に関する取り決めの内容や役員の残りの任期を事前に確認しておくべきでしょう。また、定款や他の規程などに退職慰労金の定めがないかも事前に確認しておきたいところです。

 

なお、辞任や任期満了という他の退任方法であれば、解任のような損害賠償の定めはないため、これらの代替方法を取ることができないかも要検討です。

 

あなたの株式の保有比率(75%)や問題の取締役が名目的な取締役であった事情等に鑑みれば、他の退任方法により目的が実現できる場合もあるかもしれませんね。

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