(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、東洋証券株式会社の中国株コラムから転載したものです。

まだまだ終わらない…中国、コロナ禍の実情

「没人能逃過」(逃れられる人はいない)――。

 

昨年12月のクリスマス前、中国の知人からため息の絵文字と共にこんなメッセージが届いた。似たような連絡がまずは北京から、そして上海、各地から入ってくる。敵はもちろん新型コロナウイルスだ。

 

中国は昨年末、突如としてゼロコロナ政策の見直しに踏み切った。「実質的な崩壊」「強制終了」とでも言い換えられようか。誰もが予想できなかった結末。

 

SNS上で「大型トラックが超高速運転中にウインカーを出さずに車線変更するようなもの」との例えを見て思わず苦笑い。あえて悪ノリすれば「おきて破りの逆走」とも付言したい。いずれにせよ急転直下、光芒一閃の政策変更だったことは衆目の一致するところだ。

 

その後に待っていたのは空前絶後のコロナ大感染。信じられないほどのスピードで感染が広がった。「誰かがわざと毒(ウイルス)を撒いたのでは」との陰謀説も出たほど。

 

約3年間のゼロコロナ政策下で、ほとんどの市民は免疫を持っていない。「コロナは悪」との恐怖心を煽られ続け、心も体も防御力と準備はほぼゼロ。しかも季節は冬。政策見直しはまぁ良しとして、「なぜ今なのか」という疑問の声が噴出した。

 

罹患後の症状はさまざまだが、よく聞くのは、40度前後の高熱、頭が割れるような頭痛、背中や足腰の痛みと倦怠感、カラダ中をウイルスが駆け回っているような痺れ、ガラスが刺さったような喉の痛み……などなど。

 

舌が黒くなる、口内炎の異常発生、肺が飛び出てくるような勢いの咳、などの経験談も耳にした。なんだか別の病気のようで恐ろしい。「白肺」と呼ばれる肺炎症状もネットを賑わせた。一部専門家による「90%は無症状か軽症」との発言は、あまりにも現実と異なるため大ブーイングを浴びた。

 

私の知り合いは高熱に耐えられず病院の発熱外来に駆け込んだ。2時間待った挙句、医者の簡単な診療と漢方薬処方で終了。薬の効き目を尋ねたところ、医者曰く「......効きませんよ。早く帰って、水をたくさん飲んで寝てください」とのこと。その後、3日間の“苦闘”を経て徐々に元気になったという。

 

もちろん個人差はある。抗原陽性でも症状がほぼ出ず、念のため2~3日の自主隔離を経て職場に復帰する人もいた。昨年末に髪を切ってもらった美容師がこの例で、「まぁ大丈夫だよ!」と華麗なる復活をアピール。私は気が気でなかったのだが......。

 

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