ハンセン指数22,069.73 pt (▲2.73%)
中国本土株指数7,496.07 pt (▲3.5 7%)
レッドチップ指数4,041.94 pt (▲4.41%)
売買代金2,032億5百万HK$(前日972億5百万HK$)
中国が迎えた春節では、インバウンドの数値がコロナ禍前の水準まで回復
春節明けの中国本土市場では、1週間ぶりに取引が再開された。連休中、中国各地では旅行客が昨年より大幅に増加したことが、政府の発表から明らかとなり、ホテルなどの稼働率は新型コロナウイルス禍前の2019年と同水準まで回復した。
先週も記したが、中国疾病予防コントロールセンター(CDC)発表のデータによると、本土の新型コロナウイルス感染は、ピークを打ったとの見方も強くなってきている。春節の連休中でも顕著な感染拡大はみられておらず、感染拡大の勢いが緩和されたとの観測が強まったことは、日常生活を取り戻すうえでも、金融市場にとってプラスとなろう。
28日、北京では国務院での会議で、李克強首相が「中国経済の着実な回復促進を後押しするため成長と雇用、価格の安定に重点を置き消費回復を加速させる」との認識を示した。
31日には1月の製造業購買担当者指数(PMI)を控える。12月の製造業PMIはパンデミックが発生した20年2月以来の低水準を記録していた。前月は、企業規模を問わず経済活動の停滞感が強まっている事を示した結果となってしまったが、経済指標でも最悪期から脱し回復基調に転じるかどうかに注目したい。
香港ハンセン指数は4日ぶりの大幅反落
30日の香港市場では、ハンセン指数が前日比2.73%安と4日ぶりに反落、2023年に入って最大の下落幅となった。先週末時点で約11ヵ月ぶりの高値を付けたことにより、利食い売りが優勢となった。
今週は中国の複数の主要な指標が控えるほか、米国市場では31日から2日間の日程で開催される公開市場委員会(FOMC)の判断を市場は注目している。加えて、1月の米ISM製造業総合景況指数、3日の雇用統計と今後の中央銀行の政策を左右しかねない重要な経済指標も控えている。
ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は前日比4.84%と大幅安。ITテック株が総じて売り優勢となり、ソフトウエア開発の明源雲集団(0909)は9.0%安、オンライン医療サービスの平安健康(1833)は8.8%安、動画配信のビリビリ(9626)は8.5%安、阿里健康(0241)は8.0%安だった。
主要銘柄も大幅安となり、Eコマースのアリババ(9988)は7.1%安、インターネットサービスのテンセント(0700)は6.7%安、スマートフォン大手の小米(1810)は5.7%安、京東集団(9618)は5.6%安だった。
一方、公共財関連が堅調となり、香港の都市ガスのホンコン・チャイナガス(0003)は3.2%高、香港電力大手の中電控股(0002)は2.0%高、香港の鉄道運営のMTR(0066)は1.9%高だった。
中国本土株市場は上海総合指数が0.14%高の3,269.32と4日続伸、CSI300は0.475高の4,201.35と5日続伸で引けた。
長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>