価値観の違う人と付き合う4つの選択肢
■文章化されている価値観と実際の価値観の違い
憲法や企業理念等は、文字化され、文章で表された価値観ですが、では実際にそこで暮らしている人・働いている人の価値観がそれと同じかというと、必ずしもそうではありません。
日本国憲法の場合、太平洋戦争の反省から、連合国軍総司令部(GHQ)から草案を渡されて、国会で議論した上で決めた経緯がありますから、実態がそうであるというよりも、そこに書かれたことを理想像として掲げたような経緯があります。ですので、実態はけっこう違っていて、よく「憲法違反だ!」というような出来事が起こるわけです。
これは、企業が掲げている企業理念や経営理念にも当てはまります。創業経営者やその後を継いだ経営者が、こういう考え方が重要であると考えていたことが書かれていることが多いですから、会社の中の実際の価値観が、書かれていることと同じであるとは言い切れないわけです。ですので、皆さんも会社に勤めていて、「なんか、企業理念に書いてあることと、実際の職場とは違うね」と感じたことがあるのではないでしょうか?
■価値観の違う人とどう付き合うか
このように個人レベル、会社・組織レベル、国・国民レベルで大きな違いのある価値観ですが、では、価値観の違う人たちとどう付き合っていったらよいのでしょうか? 選択肢は4つあります。向こうに合わせるか、こっちに合わせてもらうか、協議して新しいものを作るか、それぞれ違うことを尊重してそのままにしておくか。なかなか選択しづらいですね。
価値観というのものは、その人や組織の考え方のベースになっているものなので、簡単には変えられません。ですから、最初は、お互いにどのような価値観を持っているかということを理解し合うことから始めなければなりません。理解できれば、なぜそうするのか、なぜそう思うのかが納得がいきます。
理解し合えないでいると、頭の中に?が浮かんだまま、「理解不能!」とか「訳が分からない!」ということで、いらいらが募りますから、まずは、お互いに理解し合うところから始めたいものです。
では、ここから企業や組織が大切にしている価値観を構成メンバーである社員の人たちにどのようにしたら深く理解してもらえるか、共感してもらえるかというテーマを例にして、価値観・大切にしていることの共有をストーリーテリングという方法を使って行うやり方についてお話してきたいと思います。
井口 嘉則
オフィス井口 代表
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