「1月31日~2月6日のFX投資戦略」のポイント
〈ポイント〉
◆130円を大きく割り込んだ米ドル安・円高は、90日MAかい離率で見ると短期的な「行き過ぎ」懸念が強い
◆「行き過ぎた円高」は、日銀緩和策転換に対する過度な金利上昇見込みなどの影響が大きいのではないか
◆2月は円高がクライマックスを迎え、行き過ぎの反動で円安へ転換する局面を予想。米ドル/円の予想レンジは125~133円
短期的に行き過ぎた米ドル安・円高
1月の米ドル/円は、一時130円を大きく割り込む一段安となりました(図表1参照)。では、この米ドル安・円高はまだ続くところとなるのでしょうか。
米ドル/円の90日MAは、足元で140円程度なので、年明け以降の米ドル/円は、そんな90日MA(移動平均線)をまさに10%程度と大きく割り込みました(図表2参照)。経験的にこれは、米ドルの短期的な「下がり過ぎ」懸念が強まっている可能性を示しています。
2000年以降で、今回のように米ドル/円の90日MAかい離率がマイナス10%前後まで拡大したのは、2002年7月など4回しかありませんでした(図表3参照)。その意味では、今回はせいぜい4~5年に一度あるかどうかといった米ドル「下がり過ぎ」が起こっているということになりそうです。
では、そんな米ドルの短期的な「下がり過ぎ」が一巡となった後は、どんな展開になったのでしょうか。
2002年7月、2008年3月のケースは、米ドル「下がり過ぎ」一巡で記録した安値は米ドルのサイクル・ボトム(循環的安値)となり、この米ドル安値の更新には半年から1年以上も要するところとなりました(図表4参照)。
これを参考にすると、今回も米ドル「下がり過ぎ」が一巡した後は、そこで記録した米ドル安値の更新は半年から1年以上も先になる可能性があります。その意味では、年明け以降の米ドル安・円高は、当面における「最後の米ドル安・円高」となる可能性もあるでしょう。