母親・父親の育児休業の取得・職場復帰をサポート「育児休業等支援コース」
育児休業等支援コースは、「育休復帰支援プラン」を作成し、それに基づいて労働者の円滑な育児休業の取得と職場復帰に取り組んだうえで、実際に労働者が育児休業を取得した場合が対象です。
「育休取得時・職場復帰時」「業務代替支援」「職場復帰後支援」があります。
◆育休取得時・職場復帰時
育児休業取得時と、職場復帰時のそれぞれで助成金を受給できます。
まず、育児休業取得時の主な要件は以下の通りです。
【育児休業取得時の主な要件】
・育児休業の取得、職場復帰についてプランにより支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知すること
・育児に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録した上で育児の状況や今後の働き方についての希望等を確認のうえ、プランを作成すること
・プランに基づき、対象労働者の育児休業の開始日の前日までに、プランに基づいて業務の引き継ぎを実施し、対象労働者に、連続3か月以上の育児休業を取得させること(産前・産後休業から引き続き育児休業を取得する場合も同様の扱い)
次に、職場復帰時の主な要件は以下の通りです。
【職場復帰時の主な要件】
・対象労働者の育児休業中にプランに基づく措置を実施し、職務や業務の情報・資料の提供を実施すること
・育休取得時にかかる同一の対象労働者に対し、育児休業終了前にその上司または人事労務担当者が面談を実施し、面談結果を記録すること
・対象労働者を、面談結果を踏まえ原則として原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用していること
助成金の金額は以下の通りです。
【助成金額】
・休業取得時:28.5万円(生産性要件充足で36万円)
・職場復帰時:28.5万円(生産性要件充足で36万円)
また、無期雇用者・有期雇用者のそれぞれについて1名分ずつ受け取ることができます。
◆業務代替支援
育児休業を取得した労働者の業務を代わりに行う労働者を確保し、かつ、育児休業取得者を職場復帰させた場合に受け取れます。
主な要件は以下の通りです。
【主な要件】
・育児休業取得者を、育児休業終了後、原職等に復帰させる旨を就業規則等に規定すること
・対象労働者が3か月以上の育児休業を取得し、事業主が休業期間中の代替要員を新規に雇用すること(A)、または、業務を見直し既存の社員により対象労働者の業務をカバーさせること(B)
・対象労働者を就業規則等の規定に基づき原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用していること
助成金の金額は以下の通りです。
【助成金額】
・新規雇用(A):47.5万円(生産性要件充足で60万円)
・手当支給等(B):10万円(生産性要件充足で12万円)
また、育児休業取得者が非正規雇用の労働者(パート、アルバイト、派遣労働者)の場合は「有期雇用労働者加算」として9.5万円(生産性要件充足で12万円)が加算されます。
1事業主当たりA・B合わせて1年度あたり10人まで、5年間受け取ることができます。
◆職場復帰支援
労働者が育児休業から復帰した後、無理なく仕事と育児を両立できるために、法の基準を上回る制度の導入等の支援に取り組み、かつ、その制度を利用する労働者が生じた場合に受給できる助成金です。要件は以下の通りです。
【要件】
・育児・介護休業法を上回る「A:子の看護休暇制度(有給、時間単位)」または「B:保育サービス費用補助制度」を導入していること。
・対象労働者が1か月以上の育児休業(産後休業を含む。)から復帰した後6か月以内において、導入した上記「A」「B」の制度の「一定の利用実績」があること
「A」「B」の制度の「一定の利用実績」は以下の通りです。
【「A」「B」の制度の「一定の利用実績」】
・A(子の看護休暇制度):10時間以上(有給)の取得
・B(保育サービス費用補助制度):3万円以上の補助
助成金の金額は以下の通りです。
【助成金額】
・制度導入時:28.5万円
・A(子の看護休暇制度)の利用時:1,000円×時間(生産性要件充足で1,200円×時間)
・B(保育サービス費用補助制度)の利用時:実費の3分の2
まとめ
「少子化対策」においては、仕事と子育てを無理なく両立できる環境の整備が不可欠です。そのために、「両立支援等助成金」のような制度のさらなる拡充が急務となっています。
それによって、労働者にメリットをもたらすだけでなく、使用者の側にとっても、優秀な人材を獲得し、かつ、確保するのにつながるというメリットがあり、少子化対策に一定程度のの間接的な効果が見込まれると考えられます。
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