【Bタイプ】とにかく数学が苦手な生徒
■数学では完璧さを求めず、「総合点での合格」を目指すのが近道
Bタイプは数学が苦手な生徒です。全国からご相談を受ける中でもよくあるタイプです。京都医塾に入塾する生徒で「数学が得意中の得意」という生徒は学年に1人か2人いるかどうかというくらいです。そのくらい数学というのは苦手とする方が多い教科です。
数学で点を取れるようになるためには、圧倒的な知識量と反復量、そして計算力とスピードが必要になります。したがって一般的には、数学の力を伸ばすには、他の科目と比べて時間がかかります。
さて、このBタイプの生徒は、どのような対策をすれば良いのでしょうか。
数学が苦手な生徒は、まずは正確な知識を揃えることから始めていきます。数学は暗記するべきことが少ないと思われがちですが、実は他の科目よりも圧倒的に覚えるべきことが多いのです。公式はもちろん、数学を学ぶうえで使用される用語一つひとつの定義の確認と記憶から始める必要があります。
正確に知識が入り、基礎的な計算力がついたとしても、合格のためにはまだまだ必要なことがあります。問題文、条件を正しく読み解き、どの知識が使えるのか、どう組み合わせるのが良いのかを判断し、どの解法が早く(制限時間内)、かつ正確に、ミスを起こさず解けるのか、を見極められるようになること、そして実際にそれを制限時間内にミスなく解けるようになる、そのための訓練が必要になります。
このように、数学で安定して高得点をとれるようになるには非常に時間がかかります。
Bタイプの生徒は、数学を完璧にすることを目指さず、その分の時間を他科目を伸ばすことに使い、数学は大きくこけないところまで持っていき、総合点で合格を目指すのが早いです。
■実例:聖マリアンナ医科大学医学部医学科に進学したBさん
中学時代から数学が苦手で、高校2年生の時には「さすがにまずい」と思い、個別塾で数学の授業を受け始めたのですが、数学の偏差値は40台半ばで停滞し、現役の時は医学部に不合格。京都医塾の高卒生科で1年間集中的に受験生活を送ることになりました。
入塾後の最初の模試では、数学の偏差値は45でした。Bさんの場合は、英語と理科が順調に伸びたため、夏期から数学の授業と復習時間の比率を上げて学習に取り組んでもらいました。とにかく「基本から標準のとるべき問題を確実に解く」ことを数学の基本方針として徹底しました。難問対策を完全にストップし、基礎力を強固なものにするという戦略を立てました。
数学を「足を引っ張らない科目」にし、他の3科目でアドバンテージをとれるところまで伸ばす。その形で総合偏差値として65を目指すという戦略を立て、実行してもらいました。
その結果、第3回河合塾全統記述模試では、4科目偏差値を63.6まで上げることができ、見事、第一志望に合格することができました。