2021年から2022年にかけて、多くの産業が半導体不足によって混乱しました。とりわけ自動車産業は、減産を余儀なくされて納車が大幅に遅れるなど、需要が戻るなかで深刻な供給不足に陥りました。足元はやや落ち着きを取り戻しつつありますが、半導体市場は今後どうなっていくのか。現況と見通しについて、アライアンス・バーンスタイン株式会社のシニア・インベストメント・ストラテジスト、穂谷 栄一郎氏が解説します。
液晶テレビからAIへ…成長が止まらない半導体市場
――まずは半導体市場全体について教えてください。
穂谷「[図表1]は種別ごとの世界の半導体市場規模の推移です。
2000年代には「PC、液晶テレビ時代」を迎え、2010年代には「スマホ時代」へと移行しました。そして現代では「DX・GX・QX時代」などといわれ、市場規模全体としては6,000億ドルになっています。
ところが2025年以降、自動運転やAI、ロボット、グリーン革命、スマートインフラなど使用用途の拡大が予想され、現在の6,000億米ドルの市場規模が2025年には7,000億米ドルへ。そして2030年には9,000億米ドルに成長すると予想されています」
――この数年で市場が徐々に拡大してきていることがわかります。では、なぜこれまでと比較してより一層伸びるのでしょうか?
穂谷「これまでの半導体の多くは、PCやスマホ、家電、自動車などへの用途が主でしたが、今後は[図表2]の通り、多くの産業、そしてあらゆる社会インフラへの実装がなされ、「ビッグデータの計算マネジャー」としての使用用途が拡大します。
このような流れから、向こう5年~10年、市場の伸びもグンと上がると予想されているのです」
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カメハメハ倶楽部とは?
運用戦略部/責任投資推進室 シニア・インベストメント・ストラテジスト
2019年9月に入社。内外のマクロ経済及び金融市場の分析や運用戦略に関するストラテジストを務める。
以前は2016年よりフィデリティ投信の金融市場調査室にてグローバル投資環境の見通し等を担当。また、2011年から2016年まではブラックロック・ジャパンにおいて運用リサーチ及び商品企画・開発などに従事。1997年から2011年までは、みずほ証券で、投資情報部や米国現地法人にて勤務。長年にわたり、経済・市場ウォッチャーとして日本経済新聞などに加え、テレビ東京「モーニングサテライト」や日経CNBCなどの経済情報番組など、多数のメディアにおいて情報発信を行っている。2014年に国際大学大学院国際経営学研究科修了(MBA取得)。
在籍:東京(アライアンス・バーンスタイン株式会社)
著者登壇セミナー:https://kamehameha.jp/speakerslist?speakersid=10041
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