2021年から2022年にかけて、多くの産業が半導体不足によって混乱しました。とりわけ自動車産業は、減産を余儀なくされて納車が大幅に遅れるなど、需要が戻るなかで深刻な供給不足に陥りました。足元はやや落ち着きを取り戻しつつありますが、半導体市場は今後どうなっていくのか。現況と見通しについて、アライアンス・バーンスタイン株式会社のシニア・インベストメント・ストラテジスト、穂谷 栄一郎氏が解説します。

液晶テレビからAIへ…成長が止まらない半導体市場

――まずは半導体市場全体について教えてください。

 

穂谷「[図表1]は種別ごとの世界の半導体市場規模の推移です。

 

過去の分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。2022年5月現在。 出所:リフィニティブ、AB
[図表1]半導体各種の市場推移 過去の分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。2022年5月現在。
出所:リフィニティブ、AB

 

2000年代には「PC、液晶テレビ時代」を迎え、2010年代には「スマホ時代」へと移行しました。そして現代では「DX・GX・QX時代」などといわれ、市場規模全体としては6,000億ドルになっています。

 

ところが2025年以降、自動運転やAI、ロボット、グリーン革命、スマートインフラなど使用用途の拡大が予想され、現在の6,000億米ドルの市場規模が2025年には7,000億米ドルへ。そして2030年には9,000億米ドルに成長すると予想されています」

 

――この数年で市場が徐々に拡大してきていることがわかります。では、なぜこれまでと比較してより一層伸びるのでしょうか?

 

穂谷「これまでの半導体の多くは、PCやスマホ、家電、自動車などへの用途が主でしたが、今後は[図表2]の通り、多くの産業、そしてあらゆる社会インフラへの実装がなされ、「ビッグデータの計算マネジャー」としての使用用途が拡大します。

 

過去の分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。上図はイメージです。 出所:経済産業省、AB
[図表2]半導体が産業としてより重要なポジションへ 過去の分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。上図はイメージです。
出所:経済産業省、AB

 

このような流れから、向こう5年~10年、市場の伸びもグンと上がると予想されているのです」

 

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【ご注意】
※本稿は、「【AB’s Market Tips】 #3 脇役から主役へ。半導体市場の今後」を参考に、再編集したものです。詳細については当該動画をご覧ください。
本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタインポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。
当資料は、2022年12月16日現在の情報等を基にアライアンス・バーンスタイン株式会社が編集した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。
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