2021年から2022年にかけて、多くの産業が半導体不足によって混乱しました。とりわけ自動車産業は、減産を余儀なくされて納車が大幅に遅れるなど、需要が戻るなかで深刻な供給不足に陥りました。足元はやや落ち着きを取り戻しつつありますが、半導体市場は今後どうなっていくのか。現況と見通しについて、アライアンス・バーンスタイン株式会社のシニア・インベストメント・ストラテジスト、穂谷 栄一郎氏が解説します。

“人間の脳まで”の制約解除…半導体が「主役」の時代に

穂谷「半導体機能そのものも進化し、いわば“増殖”することが予想されます。[図表3]は、横軸にデータ量、縦軸にデータ処理速度を置いた、「半導体に求められる機能」についての位置づけです。

 

過去の分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。上図はイメージです。2022年8月現在。 出所:AB
[図表3]半導体に求められる機能 過去の分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。上図はイメージです。2022年8月現在。
出所:AB

 

これまで多くの電子機器などに内蔵された半導体の機能は、人間の脳で処理する速度までしか求められていませんでした。半導体の性能には、ある意味「制約」がかけられていたのです。

 

また、当然そうした電子機器の需要に左右され、その1部品である半導体はそれ以上の波にさらされてきました。

 

過去の分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。上図はイメージです。2022年8月現在。 出所:AB
[図表4]制約が解除され、半導体の機能はますます拡大してきた 過去の分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。上図はイメージです。2022年8月現在。
出所:AB

 

ところがAIや量子コンピューティング、それらを活用したスマートインフラなどが拡大していくと制約が解除され、さまざまな使用用途に応じて大量に・迅速にデータを処理する機能が求められ、半導体こそが主役になってきます」

 

――これまでは電子部品の1部品として、いわば「下請け業者」のような存在だった半導体が、徐々に今後さまざまな社会インフラに実装されることによって、その半導体の性能こそが社会全体に影響をおよぼす。いわば「主役に踊り出る」可能性があるということですね。

 

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【ご注意】
※本稿は、「【AB’s Market Tips】 #3 脇役から主役へ。半導体市場の今後」を参考に、再編集したものです。詳細については当該動画をご覧ください。
本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタインポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。
当資料は、2022年12月16日現在の情報等を基にアライアンス・バーンスタイン株式会社が編集した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。
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