(※写真はイメージです/PIXTA)

先代の逝去や不採算分野の切り離しなど、さまざまな要因から会社を売りたいと考える経営者は少なくありません。注意すべきは、実際に会社の売却プロセスに入る前に「磨き上げ」を行う必要があるということです。企業価値を高めるのに欠かせない「磨き上げ」とはどのようなものでしょうか、みていきます。

「取引先」や「顧客」も磨き上げが必須

6.「コンプライアンス」の磨き上げ

コンプライアンスの重要性はますます増しています。反社会勢力への対応や個人情報保護、環境など対応すべき箇所が増えていますので、改めて確認します。また、最近ではSNSの活用にもコンプライアンスが関連してきますので、社内での対応を定めた資料があるといいでしょう。

 

7.「人事」の磨き上げ

人事も会社売却においては重要なテーマです。労務関連のコンプライアンスはもちろん、売却後に既存役員がどのような意向を持っているのか? 売却後の彼らの処遇や退職金はどうするか? 各社員ごとの給与や能力、役職のリストは整っているか? 給与/評価制度が整っているか等が課題になります。

 

8.「取引先」の磨き上げ

取引先とは、商品の仕入れ先や重要なパートナーのことを指しています。また、現在では業務をアウトソーシングすることも多いので、相手が法人/個人に関わらず取引先の精査が大切です。

 

先ほど申し上げたとおり、取引先との契約がきちんと有効なものであるかどうかはもちろんですが、その取引先が“代替可能か?”ということも大切な視点となります。

 

たとえば、あなたが商品を仕入れている取引先が倒産したらどうなりますか? すぐに代わりの仕入れ先を探し、契約することができますか? 買い手側企業からすると、取引先が倒産したり、契約が無くなったときに、事業がリスクにさらされることを避けたいはずです。そのための対策をいまから練っておくことが大切でしょう。

 

9.「顧客」の磨き上げ

これも取引先と近いですが、顧客との取引は契約に沿ったものになっていますか? 受発注の履歴や資料はありますか? 顧客ごとの取引件数や金額もまとめておくと買い手企業の安心材料になるでしょう。どの顧客が優良顧客かがわかります。また、取引先と同じで、特定の顧客に過度に売り上げが依存しているとリスクとなりますので、その対応も必要になるでしょう。

 

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