(※写真はイメージです/PIXTA)

先代の逝去や不採算分野の切り離しなど、さまざまな要因から会社を売りたいと考える経営者は少なくありません。注意すべきは、実際に会社の売却プロセスに入る前に「磨き上げ」を行う必要があるということです。企業価値を高めるのに欠かせない「磨き上げ」とはどのようなものでしょうか、みていきます。

所有権、経営、組織…磨き上げをすべき「10の分野」

では具体的にビジネスのどこを磨き上げるのかをみていきましょう。以下は、一般的に磨き上げが必要となりやすい分野になります。

 

1.「所有権」の磨き上げ

まずなにより大切なのが会社の所有権(株式)です。あなたが100%の株を持っているならばそれほど問題はないでしょう。

 

ただ、家族/親族/取引先に分散している場合には注意が必要です。買い手企業は100%の所有権を求めるケースがほとんどですので、あなた以外の株主にも同意を得る必要があります。話しにくい相手が株主になっていたりすると厄介です。売却のプロセスに入る前に、なるべく株式をまとめておいたほうがいいでしょう。

 

2.「経営」の磨き上げ

会社の定款や規定など、基本的な文書は実情に沿っているでしょうか? 取締役会の議事録の記録はどうでしょうか? これらの資料が整っているかもチェックしましょう。

 

また経営計画や事業計画はあり、定期的に更新していますか? ほとんどの中小・スモールビジネスでは資金調達のときにしかこういった計画を創りませんが、それでは、買い手からすると将来性が極めて不明瞭といわざるを得ません。買い手企業は、あなたの会社の“いま”ではなく、“未来”に魅力を感じて買うわけですから、その“未来”が見える計画がなければ判断のしようがない、ということになってしまいます。

 

3.「財務」の磨き上げ

財務はM&Aにおいて最重要項目の1つといえます。磨き上げにおいては、会計帳簿、決算書が正しく作成され、保管されているのは当然ながら、財務業務の管理体制がきちんとしているかも大事です。また、当然税金の支払い履歴や申告書なども整えておくことが大切です。

 

4.「組織」の磨き上げ

組織図や役割分担が明確になっていますか? 私たちの経験から言って、まともな組織図を持っている中小・スモールビジネスは稀だといえます。また、業務マニュアルの存在も買い手にとっては非常に魅力的になるでしょう。

 

5.「契約」の磨き上げ

各種取引の契約書が整っているか? また、所有不動産がある場合にはそれらの契約書が整っているか? レンタルやリース契約はどうか? 特許や商標などの知的財産は整理してあるか?

 

このような会社名義の契約について確認して、契約書がないものは整えておく必要があります。中小企業の場合、口約束で取引が進むことも多く、調べてみたら意外と契約が無かったり、期限切れだったり、ということがありますので要注意です。

 

次ページ「取引先」や「顧客」も磨き上げ必須

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