(※写真はイメージです/PIXTA)

社会生活において「同調圧力」と無縁でいられる人はほとんどいません。他者からの同調圧力に苦しむ人が多いのはもちろん、自分自身、無意識のうちに同調圧力に加担してしまうことさえあります。本連載では、心理カウンセラーの大嶋信頼氏が、著書『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』より、同調圧力の正体と、上手に受け流すコツや考え方について解説します。

感情そのものが「同調圧力」!?

このプールでの例のように、自分が「同調圧力がすごい!」と思っていたのは、実は自分の心象風景だったのでした。

 

自分の中にあった「人が並んで睨んでいたら、同調圧力を感じて不安定になって当然」という常識が、勝手に心に不安定さをつくり出していたのです。

 

それがないから、私の友達はうろたえませんでした。

 

そして、私自身も、「同調圧力がすごい!」というのが、自分の中にあった常識からつくられたものであって、本当の私は「何も感じていない」と気づいてしまえば、心は静かなことに気がついたのです。

 

この自分の中の常識というものは、厄介なもので、私たちの感じ方や受けとり方をゆがめる力があります。

 

たとえば、「病気になった際は弱々しく振る舞うべき」とか、「相手から怒られたら動揺するべき」というような常識をみなさんも無意識に持っていないでしょうか?

 

でも、これはただの自分の中の常識にすぎません。その証拠に、今度誰かから怒られたときに「動揺する必要はない」と唱えてみてください。おそらく、これまで動揺していた人でも、意外とケロッとしていられたりするものです。

 

つまり、何が言いたいかというと、私たちは常識めいたものに支配され、「Aという事象に対してはBという感情を感じて当然」として、それらしく振る舞わされていただけで「本当は何も感じていない」というのが本音だったりするということです。

 

ですから、たとえば「パートナーから振られたら悲しむべき」というのも、見えない同調圧力によってつくられた感情で「本当は何も感じていない」だったりします。

 

「ショックを受けると思ったら、意外と悲しくなかった!」という人がいるのも、そういうことです。

 

そう。常識で「悲しまなければ」とか「寂しがらなきゃ」となるから、泣いたり、苦しんでいる振りをしていましたが、それ自体が実は「こう感じて当然」という同調圧力だったりするんです。

次ページ「本当は何も感じていない」という無敵状態
誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

大嶋 信頼

祥伝社

心理カウンセラーによる「同調圧力」対策の本、できました! 近年、「同調圧力」という言葉を目にする機会が増え コロナ禍によって一気に一般化しました。 そうした中で、「同調圧力」について 評論されることも増えま…

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