(※写真はイメージです/PIXTA)

社会生活において「同調圧力」と無縁でいられる人はほとんどいません。他者からの同調圧力に苦しむ人が多いのはもちろん、自分自身、無意識のうちに同調圧力に加担してしまうことさえあります。本連載では、心理カウンセラーの大嶋信頼氏が、著書『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』より、同調圧力の正体と、上手に受け流すコツや考え方について解説します。

「同調圧力」の正体は、世の中に対する過剰な信頼感

「親切にされて当たり前」って本当?

みなさんは、人に何かを尋ねた際に無視をされたら、どう感じるでしょうか?

 

私も以前、友人との待ち合わせで道に迷った際、同じようなことがありました。

 

向こう側から歩いてきた男性に「あの、 すみません! この場所は?」とスマホの地図を見せて尋ねたら、スルーされてしまったのです。

 

そのとき私は、「あれ? 思いっきり無視をされた!」とショックを受けました。

 

でも次の瞬間、そのショックは「なんで無視するんだよ!」という怒りに変わり、無視をした男性にその不機嫌オーラを同調圧力として噴射したくなったのです。

 

これを読んだみなさんは、「問いかけを無視することはないじゃないか」と当時の私に共感してくださる方もいるかもしれません。

 

しかし、その反対で「いきなり話しかけられたら、怖くて逃げるかも」と思った方もいるかもしれません。

 

そうなのです。いまの私から見ても、「あれ? なんで私は、あの男性が親切に道を教えてくれる人と決めつけていたんだろう?」と疑問が湧くのです。

 

だって「親切に教えるのが当然なのに、無視をされた」ということで怒っているわけですから。

 

もし「親切に教えるのが当然」と思っていなければ、「無視されてムカつく!」ということにはならずに、「まあ、そうだよね〜」という感じで、そのまま受け入れられるはず。

 

瞬間的にそれができなくて「信頼していたのに裏切られた!」という感じで怒ったのは、「世の中に対する過剰な信頼感があったから」なのです。

 

[図表1]世の中への過剰な信頼から生まれる同調圧力

自分の常識は、他人の非常識!?

私は、子どもの頃からキリスト教の文化の中で育ったこともあって、「困っている人がいたら親切にしなさい」と教わってきました。だから、道に迷って困っている人がいたら、居ても立っても居られなくなってしまいます。

 

でも、日本にいながらキリスト教の家庭で育った人というのは、1%前後だから「ほとんどの人は同じような教育は受けていない」ということを、私も頭ではわかっていたはずなのです。

 

それなのに、瞬間的に「なんで? ムカつく!」となってしまいました。

 

また、道を尋ねたこと以外でも、出勤するときに下の階の人と階段であったとき、「おはようございます!」と挨拶をしたら、これもスルーされ、「え? 無視するの?」とムッとしてしまったこともありました。

 

「こっちが笑顔で挨拶をしているのに、なんで無視?」と、通勤途中もずっとぐるぐるしていて、「仕事をしていてもムカついて思い出す私って異常?」となってしまう。

 

でも、このケースにしたって、「挨拶は返してくれて当然」と思っているから起きたことなのです。

次ページ世の中を信頼しすぎて勝手に傷ついてしまうケース

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