(※写真はイメージです/PIXTA)

社会生活において「同調圧力」と無縁でいられる人はほとんどいません。他者からの同調圧力に苦しむ人が多いのはもちろん、自分自身、無意識のうちに同調圧力に加担してしまうことさえあります。本連載では、心理カウンセラーの大嶋信頼氏が、著書『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』より、同調圧力の正体と、上手に受け流すコツや考え方について解説します。

「感情に溺れない」と決める

「軽蔑される!」「共感しちゃう!」を卒業する

ここまで同調圧力の正体やメカニズム、同調圧力に苦しんでしまう理由等々を解説してきました。

 

そこから総ざらいをして導かれる、同調圧力をかわせるようになるための方法のファーストステップは、「感情に溺れない」ことです。

 

たとえば、職場で「今日は疲れたから早く帰りたいな」と思ったとします。

 

でも、そんなときに、他の社員さんたちからどう思われるかと気にしてしまうと、「仕事もできないくせに先に帰って!」などと思われていそうに感じてしまい、どんどん帰れなくなります。

 

また、上司も遅くまで残るタイプの人でみんなもそれに従っていたりすると、「みんな遅くまで仕事をしているんだから、あんたも残るべきでしょ」という空気感を感じてしまいます。

 

つまり、これまでにも説明をしてきたとおり、他人の感情を優先してしまうと、同調圧力をかわすことはできなくなるのです。

 

では、どうすればいいかというと、みなさんの会社にも、「お先に失礼します!」とさっさと帰ることができているお手本がいないでしょうか?

 

その人を観察してみてください。

 

そう、先に帰れるタイプの人というのは、いちいち相手の気持ちを考えていないのです。

 

これは、何も他人からの軽蔑の目を気にする、という方向だけではありません。

 

たとえば、周りの人たちの立場になって「相手の気持ちを考える」ということにも通じます。

 

先程同様に、「今日は疲れたから早く帰りたいな」と思ったとき、「あの人、体調が悪いけど頑張っているから、元気な私が先に帰ったらどう思うかな?」「あの人は家庭の事情が複雑なのに、一生懸命に仕事をしているんだよな」などと思いはじめたら、「お先に失礼します!」なんて言えなくなってしまいます。

 

みなさんも「相手が自分のことをどう思っているのかを考えずにいられたら、どんなに楽だろう?」「相手に気を使わないで済むなら、どれだけ快適だろう?」と思ったことはないでしょうか。

 

つまり、それだけ、周りの目を気にしたり、周りに共感性を持ったりして、感情に溺れてしまうことは、「自分っていい人」と感じさせてくれる代わりに、みなさんを同調圧力から逃げ出せないようにしているのです。

次ページ「人の目」と「共感性」は、自分の勘違い!?
誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

大嶋 信頼

祥伝社

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