「本当は何も感じていない」という無敵状態
私たちが感じていると思っていた「感情」のほとんどが、同調圧力からきたものであって、「本当は何も感じていない」と思ってみると、同調圧力から抜け出せます。
加えて、「本当は何も感じていない」と思ってみると、同調圧力をかけてくる人たちのことを認識できなくなっていき、その人たちからも認識されなくなっていく「透明人間」になれてしまいます。
ちょうど、周波数が違うから感知できない音のようなものです。
同調圧力をかけてくる人たちは、何か言ったり、圧力をかけたりすることで反応してくれる人たちが大好物です。というのも、自分に反応してくれる人というのは、同調圧力のかけ甲斐があるから。
その反対に、どんなボールを投げても「本当は何も感じていない」と柳に風の人は、反応がないので認識さえできません。そうなれば、結果としてスルーしてもらえる。
だから、「本当は何も感じていない」という「透明人間」状態こそが、同調圧力に対しては究極の武器になるのです。
ただし、ここに問題が一つあります。それは「本当は何も感じていない」と透明人間になってしまうと、「相手にされなくて寂しい」と思ってしまいかねないこと。
これも常識で感じていることですから、「本当は何も感じていない」でスルーすることができちゃいます。「人から相手にされなくなったら寂しさを感じるべき」という同調圧力の罠(わな)があるだけですから。
寂しさも本当は存在していなくて、何も感じていない。
ちなみに、逆に「透明人間になって同調圧力をスルーできるようになったから、自由を感じている」というのも本当は「新たな常識」で感じていることです。
わかりづらいですが、「何も感じていない」というのが本当のところであり、それを掘り下げてみると「本当は何も感じていない」の本質が見えるようになるのです。
「不安・緊張・怒りなどを感じてると思ってたけど、あれって同調圧力によって、感じてる、と思ってただけか!」という、紛らわしくて面白い現実に到達します。
……と、まあ紛らわしいので、そこまでわからなくてもひとまず大丈夫ですが、こうして「本当は何も感じていない」で透明人間になると、すべての同調圧力をスルーすることができてしまうのです。
大嶋 信頼
株式会社インサイト・カウンセリング
代表取締役