(※写真はイメージです/PIXTA)

社会生活において「同調圧力」と無縁でいられる人はほとんどいません。他者からの同調圧力に苦しむ人が多いのはもちろん、自分自身、無意識のうちに同調圧力に加担してしまうことさえあります。本連載では、心理カウンセラーの大嶋信頼氏が、著書『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』より、同調圧力の正体と、上手に受け流すコツや考え方について解説します。

「同調圧力は嫌い!」に隠れているもの

その「正しさ」に責任を持てますか?

実は「同調圧力に従ってしまう人」「同調圧力をかけてしまう人」の双方が、同じ根っこを持っています。すなわち、いずれも「同調しなければ、みんなから見捨てられて孤立してしまう」と思い込んで“子ども化”した「同調圧力チルドレン」になってしまっているのです。

 

多くの人は、自分の価値観・倫理観・生き方のルールが正しいと信じており、その感覚をもとに「なぜ、同調しないんだ!」という圧力を発してしまいます。

 

ただ、外国の人と日本人の常識が違うように、本来ならば一人ひとり考え方や感じ方は違いますよね。

 

仮に「Aという考え方をする人が多め」ということはあっても、それが絶対の正義だと言えることなど本来はなく、答えの出ない問題も少なくありません。

 

ですから、同じ日本の中であろうと、全員が同じ価値観を持とうとすることは現実的には無理な話なのです。

 

そのことを改めて感じたのが、いろいろな議論や説が飛び交い、世の中全員にとっての正解が特に見えにくかったコロナ禍でのワクチン接種についてでした(あらかじめ述べておくと、私はワクチン肯定派でも否定派でもありません)。

 

海外のニュースを見ていて「ワクチンを打たない人がいる」という映像が流れた初期の頃、「こんな状況なのに、なんて愚かなんだ!」と反応している自分がいました。

 

でも、そう感じるのも、私が同調圧力チルドレンになっていたから。

 

というのも、私自身が“大人”として自分の考えに責任を持って「打とう」「打つのはやめておこう」と判断したことではなく、ただ「ワクチンを打つのが望まれる」という論調(同調圧力)に流されただけだったからです。

 

そう、同調圧力に流されて従った私が、テレビのニュースで映し出された海外の人に対して同調圧力を発していた、というわけです。

 

こんなふうに同調圧力に流されていれば、自分で物事を考える必要がありません。従っていればいいだけなので、まさに“子ども”のような状態なのです。

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誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

大嶋 信頼

祥伝社

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