(※写真はイメージです/PIXTA)

社会生活において「同調圧力」と無縁でいられる人はほとんどいません。他者からの同調圧力に苦しむ人が多いのはもちろん、自分自身、無意識のうちに同調圧力に加担してしまうことさえあります。本連載では、心理カウンセラーの大嶋信頼氏が、著書『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』より、同調圧力の正体と、上手に受け流すコツや考え方について解説します。

世の中を信頼しすぎて勝手に傷ついてしまうケース

「ちゃんと挨拶をしましょう!」という教育を私は受けてきたので、「世の中の人はみんな挨拶をするもの!」と世の中を信頼しきっている。だから「無視された!」となったら「裏切られた!」となって、すごい怒りが湧いてきてしまう。

 

仕事をしているときまで浮かんでくるって、よっぽどだな、と自分でも呆れてしまうのですが、私は人や世の中を信頼しすぎているから、そんなことになってしまうんです。

 

考えてみれば、最近の教育では「知らない人に声をかけられても無視をしましょう」と教えている学校や親御さんも多いはずです。

 

お子さんが知らない人に声をかけられ、ついていってしまったら大変なことになるから、そのような教育が必要になるわけですよね。

 

そういった教育を受けてきた人たちが大人になれば、「知らない人」からの接触は「無視するのが普通!」となる。であれば、無視をしたその相手が悪いわけでもなんでもない。

 

国によっても、家庭によっても、時代によっても、教育や常識は異なって当然なのですから、「自分と同じ感覚をみんなも持っているはず」と世の中のことを信じすぎてしまった私が、「ひどいことをされた」とショックを受けて勝手に傷ついてしまっただけなのです。

「他人を信頼できない! 」という人ほど、他人を信頼している

こういった「世の中に対する過剰な信頼感」が同調圧力を生みます。

 

ただ、おそらく同調圧力をかけている人というのは、「世の中に対する過剰な信頼感があるから、間違っている相手が許せないのだ」とは自覚していないでしょう。

 

「どいつも、こいつもムカつく!」となっていて、むしろ「自分は誰も信頼できない」と思っています。

 

でも、実際は「自分の思いどおりに動いてくれないからムカつく!」となっているわけで、さらに「相手が自分の思いどおりに動いてくれて当然!」と思っているから、怒りが湧くわけですよね。

 

本当に「誰も信頼できない」のなら、相手に何も期待していないわけですから、相手が何をしたってムカつかないはずです。つまり、実は「誰も信頼できない」という人は口先だけで、頭の中では「〇〇して当然!」と過剰な信頼をしているのです。

 

だから、そこからちょっと外れただけで「なんでそんなことをするんだ!」「これぐらいのこともしてくれないんだ!」と相手に圧力をかけてしまう。

 

「期待してないんだったら、同調圧力をかけるのはやめようよ……」と自分でも思うのですが、気がついたら自分が当然だと思っていることとは違う行動をする人たちへの怒りでいっぱいで、心の中で同調圧力をかけてしまっているのです。

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