栄養バランスを取った減量を行う方法
■PFCバランスが基本
実際、ボディビルダーをはじめ、筋トレでボディメイクする人間は、どうやって栄養バランスを取った減量を行うのか。
基本は「PFCバランス」を決めた減量が多い。ちなみに人間の体が必要とする三大栄養素がP(Protein =タンパク質)、F(Fat =脂質)、C(Carbohydrate =炭水化物)。総カロリーを抑えつつも、この摂取比率の方が重要だという考え方だ。「マクロ管理ダイエット」などとも呼ぶ。
人体の約60%は水分で、15〜20%はタンパク質。水分を除くと、体の約半分をタンパク質が占めている。筋肉の成長に最も重要だから、まずタンパク質の量を確保する。熱量は1gあたり4kcal。
脂質はただ邪魔で厄介なものと思われがちだが、各種ホルモンを分泌するのに必要な原料となり、エネルギーを蓄える働きもある。熱量は1gあたり9kcalと大きい。
炭水化物は筋肉のエネルギー源であり、脳の栄養素でもある。熱量は1gあたり4kcal。
①基礎代謝を求める
体組成計があれば、基礎代謝の数字は表示される。なくても計算できる。「ハリスベネディクト方程式」という欧米式の計算式を使うことが一般的だ。ただし、日本人にはやや高めに表示されるというから少々割り引く必要があるかもしれない。体重は㎏、身長は㎝で計算する。
●男性 66+(13.7×体重)+(5×身長)‒(6.8×年齢)
●女性 665+(9.6×体重)+(1.7×身長)‒(7.0×年齢)
ここに活動量に応じた係数を掛け合わせると、必要カロリーが計算できる。
●活動強度
Ⅰ(軽い)1.0〜1.1
Ⅱ (中等度)デスクワークが主なサラリーマン(1.2〜1.5)
Ⅲ (やや重い)仕事以外にスポーツが趣味(1.6〜1.9)
Ⅳ(重い)ガテン系(2.0)
では体重70㎏、身長174㎝、年齢66歳、活動量Ⅲの私だとどうなるか。
66+(13.7×70)+(5×174)‒(6.8×66)=1446.2kcal
1446.2×(活動強度Ⅲ=1.6)=約2314kcal
②目標摂取カロリーを計算する
月に1㎏(7200kcal)の体脂肪を落とすには1日に240kcalずつ減らせばいいということになる(7200kcal÷30=240kcal)。仮に必要カロリーが2300kcalなら約2000kcalに摂取カロリーを抑えれば月に1㎏痩せることとなる(2300‒ 240kcal= 2060kcal)。
が、実際には人の体は計算通りにはまずいかない。これはいちおうの目安だ。