本番直前、本番中の緊張を減らす方法
■メンタル強化に役立つQ&A
Q1:メンタルを安定させるのに呼吸法が有効と聞きましたが、どのような方法ですか
A1:メンタルを安定させるための4サイクル呼吸法を紹介します。これは、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」を組み合わせて行います。胸式呼吸とは、普段、自然に行っている呼吸です。
簡単にいうと、胸だけが動いて行う呼吸のことです。それに対し、腹式呼吸とは、胸は動かさず、腹部だけが動いて行う呼吸のことです。腹式呼吸では、息を吸うときには、中に風船が入っているようなイメージでお腹を膨らませていきます。この4サイクル呼吸法のポイントは、息の吸い方にあります。
吸うときは、腹式呼吸でお腹を膨らましながら息を吸っていき、一杯になったら、胸式呼吸で肺の上部にまで空気を入れるようにします。お腹と胸の二段階で吸うというわけです。吐くときは肺が空になるまで息を吐きます。これらを4つの工程で繰り返します。まとめると、次のとおりです。
①4つ数えるまでの間で、先程の吸い方で息を一杯になるまで吸い込む
②肺が一杯になったら、そこで2つ数える
③4つ数えるまでの間で、肺から空気をすべて吐き出す
④肺が空の状態で2つ数える
⑤以上の①〜④を繰り返す
なお、ここでは数えるのを4つと2つにしましたが、身体のリズムは人それぞれなので、「6つ-3つ-6つ-3つ」や「8つ-4つ-8つ-4つ」などのパターンでも問題ありません。4サイクル呼吸法は、横隔膜を刺激して自律神経を整える効果があるので、仕事で怒りや不安、緊張を感じたときに、それを鎮めるのにとても役に立ちます。
Q2:本番直前の不安や緊張を減らす方法はありますか
A2:不安や心配があまりにも大きくなると、緊張も高まり、本来持っている能力を発揮するのが難しくなります。この状態は、記憶能力だけでなく、当然ながら他の思考力も下げてしまうことになります。
いわゆる「頭が真っ白」という状態です。これがどんな状態かというと、頭の中のワーキングメモリに不安や心配がぎっしり書き込まれている状態です。思考するためには、ワーキングメモリに余裕が必要なのですが、その余裕がないために、思考能力を低下させてしまうというわけです。
その対応策としては、紙にそのとき考えられる不安や心配事なことを、考えすぎと思われるようなレベルのことでもいいので、全部書き出すのです。不安や心配は見えないので、実際よりも大きく感じてしまうのです。それを紙に書き出して、「見える化」することによって冷静になれるのです。それにより、ワーキングメモリに余裕ができるので、本来の頭の働きに戻すことができるのです。
Q3:本番中の不安や緊張を減らす方法はありますか
A3:先程の質問では、「本番直前の不安や緊張を減らす方法」でしたが、ここでは「本番中」です。ここで紹介する方法は、何かをつかむです。人は不安があったり、緊張、恐怖があったりすると、何かをつかみたくなる習性があります。想像していただきたいのですが、スポーツ観戦などで試合の緊張感が高まったときや、怖い映画を観ているとき、皆さんは、二の腕や太腿や膝をぎゅっと握り締めてはいませんか?
人は不安や緊張を感じているときは、何かをつかむことにより、安心感を得ようとします。そこで、状況が許すならば、ペン、ハンカチ、ゴムボールなどをつかんだり握ったりして、不安や緊張をほぐしてみるのはいかがでしょうか。
池田 義博
記憶力日本選手権大会最多優勝者(6回)
世界記憶力グランドマスター
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