(写真はイメージです/PIXTA)

世界経済が一層、混沌とするなか、国内の投資信託はどのように動いたのか。ニッセイ基礎研究所、前山裕亮氏によると、今後「外国債券ファンドの復調」に注目だという。12月の動向と共にみていこう。

外国債券ファンドの売りは2022年に一巡

さらに12月は外国債券ファンドにも1,800億円の資金流入があり、11月の700億円から増加した。外国債券ファンドへの資金流入のうち1,000億円が12月に新設されたヘッジありの外国債券ファンド(図表2緑太字)への資金流入であった。それでも12月は既設ファンド(黄棒、黄緑棒)にもヘッジなしに400億円、ヘッジありに200億円、合計で600億円の資金流入があった(図表4)

 

【図表4】
【図表4】

 

既設のヘッジなしの外国債券ファンド(黄棒)が3カ月連続で流入超過となるなど、2018年から続いていた外国債券ファンドの売却は、2022年後半に一巡したといえそうである。2022年に米国を中心に先進国債券の利回りが復活し、外国債券ファンドの投資妙利が出てきただけに、これから外国債券ファンドが復調してくるのかに注目したい。

 

ただ、この12月だけでなく2020年以降、たびたび新設(緑棒)された限定追加型のヘッジありの外国債券ファンドが売れてきたが、ヘッジありの外国債券ファンドはこれから注意が必要である。外国債券の利回りだけでなく為替ヘッジのコストも2022年に大きく上昇したためである(図表5)。特にドル(青線)のヘッジ・コストの上昇がすさまじく、足元だと年率で5%もかかってしまう。これから短期的にコスト負けするヘッジありの外国債券ファンドが続出してくるかもしれない。

 

【図表5】
【図表5】

一部の新興国関連ファンドが好調

12月に高パフォーマンスであったファンドをみると、一部の新興国関連ファンド(赤太字)やテーマ型の国内株式ファンド(青太字)が好調であった【図表6】。トルコ株式ファンドについては12月だけなく2022年1年通しても好パフォーマンスで、この1年で基準価額がほぼ倍になった【図表7】。その他、2022年は資源関連ファンド(青太字)も総じて好調であった。

 

【図表6】
【図表6】
【図表7】
【図表7】

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年1月12日に公開したレポートを転載したものです。

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