知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。今回は、外来種によるシロアリ被害についてみていきます。
意外にリーズナブルなアメリカカンザイシロアリ対策
では、アメリカカンザイシロアリ対策は、どのようにしたらいいのでしょうか?
防蟻効果に永続性があり、人体に無害な防蟻方法として、加圧注入材やホウ酸処理があることは、すでに説明した通りです。筆者は、これらを地面から1mまでではなく、2階の柱や屋根の構造材である小屋組みまで含めた主要構造部すべてに施工することをお勧めしています。
主要構造部すべての材を加圧注入材にする家も中にはあるようですが、なかなかハードルが高いようです。それに対して、主要構造部すべてをホウ酸で処理(図表7)することは、それほど大変なことではありません。延べ床面積で30坪程度の家の場合、地面から1mまでをホウ酸処理を行う費用に、15~20万円程度の追加費用で主要構造部すべてをホウ酸処理することが可能です。
私はこの15~20万円程度の費用は、性能にこだわり、長期間にわたって耐震性能や資産価値を維持したいのならば、必ずかけるべき費用だと考えます。
家を新築もしくはフルリノベーションする際には、ぜひ、アメリカカンザイシロアリに対応した防蟻処理にすることを施工会社に依頼することをお勧めします。
住まいるサポート株式会社
代表取締役
高橋 彰
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住まいるサポート株式会社 代表取締役
一般社団法人日本エネルギーパス協会 広報室長
神奈川県出身。東京大学修士課程(木造建築コース)修了、同大博士課程在学中。千葉大学工学部建築工学科卒。リクルートビル事業部、UG都市建築、三和総合研究所、日本ERIなどで都市計画コンサルティングや省エネ住宅に関する制度設計等に携わった後、2018年に「結露のない健康・快適な住まいづくり」のサポートを行っている住まいるサポート株式会社を起業。日本でトップクラスの性能を誇る工務店・ハウスメーカーを厳選して提携し、消費者に無料で紹介する「高性能な住まいの相談室」や、デザインと高性能を両立する設計を行う建築家のマッチングサービス等を提供。また、横浜市住宅政策課主催のセミナーや毎日新聞社主催のセミナー等、多数のセミナーに登壇、メディアへの出演など、高性能な住まいづくりに関する情報発信に積極的に取り組んでいる。住まいづくりを考えている方々への情報発信を通して、ひとりでも多くの方が、住宅の性能に関する基礎知識を持ち、他の先進国並みに「結露のない健康・快適な家」を普及させることを目標としている。主な著書に、「元気で賢い子どもが育つ! 病気にならない家」(クローバー出版)、「人生の質を向上させるデザイン性×高性能の住まい: 建築家と創る高気密・高断熱住宅」(ゴマブックス)など。
●高性能な住まいの相談室:https://sml-support.com/lp
●建築家と創る高気密・高断熱住宅:https://sml-support.com/archicon
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