写真提供:えぬぷらす一級建築士事務所

知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。今回は、外来種によるシロアリ被害についてみていきます。

意外にリーズナブルなアメリカカンザイシロアリ対策

では、アメリカカンザイシロアリ対策は、どのようにしたらいいのでしょうか?

 

防蟻効果に永続性があり、人体に無害な防蟻方法として、加圧注入材やホウ酸処理があることは、すでに説明した通りです。筆者は、これらを地面から1mまでではなく、2階の柱や屋根の構造材である小屋組みまで含めた主要構造部すべてに施工することをお勧めしています。

 

主要構造部すべての材を加圧注入材にする家も中にはあるようですが、なかなかハードルが高いようです。それに対して、主要構造部すべてをホウ酸で処理(図表7)することは、それほど大変なことではありません。延べ床面積で30坪程度の家の場合、地面から1mまでをホウ酸処理を行う費用に、15~20万円程度の追加費用で主要構造部すべてをホウ酸処理することが可能です。

 

【図表6】
【図表6】

 

私はこの15~20万円程度の費用は、性能にこだわり、長期間にわたって耐震性能や資産価値を維持したいのならば、必ずかけるべき費用だと考えます。

 

家を新築もしくはフルリノベーションする際には、ぜひ、アメリカカンザイシロアリに対応した防蟻処理にすることを施工会社に依頼することをお勧めします。

 

住まいるサポート株式会社
代表取締役
高橋 彰

 

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