ヒノキを好むアメリカカンザイシロアリ
もう一つ、アメリカカンザイシロアリが厄介なのが、好む樹種がヤマトシロアリ等と大きく異なる点です。ヤマトシロアリ等は、ヒノキはあまり好まないため、製材のJAS規格耐久性区分D1樹種に分類されており、一応、シロアリ等にも強い高耐久樹種とされています。
ところが、アメリカカンザイシロアリは、【図表5】に示す通り、ヒノキが大好物で、好みの樹種のなんと第三位に位置付けられています。アメリカカンザイシロアリの生態が住宅業界でもあまり知られておらず、いまだに、「当社はヒノキを使っているので、特に防蟻はしていませんが大丈夫です!」と言っている工務店が意外と多いことにも注意が必要です。
生息エリアはどんどん拡大中
アメリカカンザイシロアリの生息エリアは、どんどん拡大しています。筆者のいる横浜市は、被害がかなり深刻なエリアになっています。そして、寒冷地にはあまりいないと思われていたのですが、最近は、【図表6】の地図の通り、生息エリアを岩手県まで拡大しています。
意識されていないアメリカカンザイシロアリ対策
以前、意識の高い工務店は、合成殺虫剤系の防蟻方法から、加圧注入材やホウ酸処理にどんどん切り替えており、防蟻方法を聞いてみることが工務店等の住まいづくりの意識を見極めるのにとても有効であることを説明しました(関連記事:『恐ろしい…EUの禁止農薬が使われる「日本のシロアリ対策」驚愕の実態』)。
ところが、アメリカカンザイシロアリ対策については、意識の高い工務店においても、とても遅れているのが実情です。筆者もアメリカカンザイシロアリ対策を標準仕様にしている工務店は、数社しか知りません。
高気密・高断熱・耐震等級3を売りにしている意識の高い工務店の社長と話していて、アメリカカンザイシロアリの話をすると、「それは知りませんでした。」と言われることがとても多いのです。筆者に相談に来られた方には、なるべくアメリカカンザイシロアリについてお伝えするようにしており、筆者が紹介する工務店等にも少なくともオプションでは対応していただくようにお願いはしています。ですが、住宅業界全体では、まだまだこの問題は共有されてない印象です。そのため、施主が知識を持って、アメリカカンザイシロアリ対応を指示しないと、何十年後かに後悔する可能性が少なくありません。
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