物件価格の値動きによって得られる利益(キャピタルゲイン)
キャピタルゲインは資産の売買によって単発的に得られる収益を指す言葉です。株や債券なら売買したときの売却益、不動産投資では物件の売買によって発生する収益がキャピタルゲイン。例えば、3,000万円で購入した物件を売却し、諸経費別で3500万円で売れた場合、手元に入ってくる500万円の利益がキャピタルゲインです。
キャピタルゲインの特徴は、短期間で効率よく大きな利益が狙えることでしょう。ただし、リターンが大きいほどリスクも大きくなりますから、3,000万円の物件が3,500万円で売れることもあれば、2,500万円に値下がりする可能性もあります。
不動産市場の特性として、地価などキャピタルゲインに直結する市場価格は短期で動きますが、家賃相場などインカムゲインに直結する市場価格は値動きが緩やかです。
つまり、3,000万円の物件が3,500万円になったり2,500万円になったりするのに対し、10万円の家賃が短期で12万円になったり8万円になったりすることは少なく、その点において、キャピタルゲイン狙いの売買は買い時、売り時のタイミングが重要で、その見極めによって利益が大きく左右されます。
また、個人保有の不動産を売却して発生するキャピタルゲインは、保有期間によって利益にかかる税率が変わります。保有期間が5年未満の場合は短期譲渡所得として40%超の税金がかかり、5年超の場合は長期譲渡所得として20%程度の税金になります。
キャピタルゲイン狙いの不動産投資は、短期的な地価の高騰によって大きく利益が得られ、インカムゲイン狙いの不動産投資と比べて効率よく稼ぐことができますが、効率よく利益が得られる半面、税負担も大きくなる可能性があることです。
インカムゲイン狙いの方がハードルが低い
インカムゲインとキャピタルゲインは、利益が生まれる背景が違います。また、インカムゲインなら地域の入居者需要を見る、キャピタルゲインなら地価や景気の動向を見るなど、物件選びのポイントも異なります。
ただし、この2つは相反するものではありません。家賃収入目的で買った物件でも、地価が高いときに売却すればキャピタルゲインが得られますし、売却益目的で買った物件も、売却するまでの期間で家賃収入を得ることができます。
難易度の点から考えると、会社員の不動産投資やこれから不動産投資を始めるのであれば、インカムゲインを狙う方がリスクが小さくなるでしょう。家賃収入は、入居者さえ見つかれば、そこから先はほぼ自動的に発生します。前述の通り、物件価格と比べて家賃が大きく動くことも少ないため、安定的に収益が得られます。
また、キャピタルゲイン狙いの投資は物件価格が下落したときの損失が大きくなり、資金が減れば投資が続けられなくなります。その点、長期間の保有を前提とするインカムゲイン狙いの投資なら、高く売れる時期を待つことができます。地価は景気に連動して上下を繰り返しますので、そのタイミングを待つことによって損失を減らしたり、利益を得たりすることができるわけです。
まとめ
インカムゲインとキャピタルゲインは、不動産投資を始める上で知っておく必要がある言葉です。どちらも利益を意味しますが、その背景が違い、リスクとリターンも異なります。長期的に家賃収入を得て、月々の収入や退職後の年金の足しにするのが良いか、それとも、短期的に利益を得て、資産を増やすのが良いか。どちらにも対応できるのが不動産投資の良いところです。投資する目的に照らし合わせて考えてみると良いでしょう。
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