脳が必要とする栄養はブドウ糖
■目標達成に役立つQ&A
Q1:習慣化のテクニックを教えてください
A1:ドイツの社会心理学者ピーター・ゴルヴィツァーが生み出した条件型計画、別名「if(イフ) – then(ゼン)プランニング」という方法を紹介します。
非常に有効なため、私もこのテクニックを利用しています。実行に移すための条件「if」をあらかじめ設定しておくことで、脳が意識を習慣に向けてくれるというしくみです。やり方は簡単です。
「(if)もし□□という条件なら、(then)そのときは△△という行動をとる」というように、条件付きの計画を立てるだけです。本当にそんなことで習慣化するのかと思うかもしれませんが、この「□□なら△△する」という文法は、脳に強く訴えかけるものであり、それに加え、同時にプライミング効果も働いているのです。
実験によると、このような条件型計画を設定するだけで、実行できる確率が2〜3倍に上がるそうです。いくつか例を挙げます。
・「(if)金曜日に仕事が終わったら (then)ジムでトレーニングする」
・「(if)寝る30分前になったら (then)英単語を20個憶える」
・「(if)自信をなくしたときは (then)以前成功したプロジェクトを思い出す」
ただし、1つだけ注意があります。設定する行動に「△△しないようにする」や「△△をやめる」などのような否定の形をとらないようにするということです。その理由は、「××のことを考えるな」といわれたら、かえって××のことが頭から離れなくなるように、やめたいことへの衝動を、逆に強めてしまうからです。
そこで、何かをやめたいときには、それの代わりとなる建設的な行動に置き換える必要があります。ダイエットが目的ならば、例えば次のとおりです。
×「(if)間食したくなったら (then)甘いお菓子は食べない」
↓
〇「(if)間食したくなったら (then)ナッツを5個まで食べる」
Q2:集中力をアップさせる香りはあるのでしょうか
A2:以前、記憶能力アップにローズマリーの香りが効果的という話をしました。実は、集中力に効く香りというものもあります。ペパーミントやレモンといった香りが効果的です。これらのアロマオイルなど利用してみてはいかがでしょうか。反対に、リラックスするときには、ラベンダーがお勧めです。
ラベンダーにはストレスを減らし、睡眠の質を高める効果もあるからです。
Q3:大事な場面なのに、疲れて頭がぼんやりしているときに効くものはありますか
A3:即効性を期待するならば、「甘いものをとる」方法があります。
脳が必要とする栄養は、ブドウ糖だけだからです。また、甘いものをとることにより、血糖値が上昇し意志の力も一気に回復します。しかし、これには注意も必要です。
習慣になってしまうと、糖分のとりすぎによる弊害で、今度は自己コントロールが効かない体質になるからです。あくまでも、「ここ一番」という場面でのみ利用するようにしましょう。
池田 義博
記憶力日本選手権大会最多優勝者(6回)
世界記憶力グランドマスター
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