(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年12月16日に与党の2023年度税制改正大綱が発表されました。そのなかに、法人のいわゆる「節税」「決算対策」として40年近くにわたり広く行われてきたポピュラーな「節税方法の定番」ともいえる方法を封じるねらいがあるのではないかという「ある記述」があり、波紋を呼んでいます。本記事では、その記述の内容が意味するところと、そこから推察されるねらい、および問題点について解説します。

「会社の節税の定番」を揺るがす税制改正大綱の記述とは

与党の2023年度税制大綱において、波紋を呼んでいるのは、「特定船舶の特別償却制度」に関する以下の記述です。

 

「対象船舶から匿名組合契約等の目的である船舶貸渡業の用に供される船舶(中略)を除外する。」

 

これは、船舶、航空機等のオペレーティングリースへの出資による「計画納税」のスキームに影響を及ぼす可能性があるものです。

 

船舶はともかく、なぜ「航空機等」にまで影響が及ぶ可能性があるかについては、後ほど改めて解説します。

 

船舶のオペレーティングリースが「節税」になるしくみ

まず、前提として、船舶のオペレーティングリースがなぜ「節税」といわれるのか、解説します。なお、厳密にいえば「節税」というのは不正確であり、正しくは「利益の先送り」なので、本記事では以後、「計画納税」と表現します。ご了承ください。

 

◆オペレーティングリースとは

オペレーティングリースとは、いわゆる「賃貸借」のことをさします。

 

船舶のオペレーティングリースについていえば、「賃貸人」が船舶を船会社である「賃借人」に貸し出し、賃料を得ることです。

 

なお、リースには「ファイナンスリース」もあります。オペレーティングリースとファイナンスリースとの違いは、大ざっぱにいえば以下の通りです。

 

【オペレーティングリース】

リース終了後に物件の所有権が賃借人に移転しない「ふつうの賃貸借」リース料総額は物件価格を下回る。

 

ただし、リース期間中あるいは終了後に賃借人が改めて物件を買い取って所有権を取得することは差支えありません。実際に、多くのオペレーティングリース案件において、期間中に賃借人が「購入選択権」を行使できる契約になっています。

 

なぜなら、賃借人にとって、リース契約を続けて残りの期間の賃料を払い続けるよりも、物件を買い取ったほうが得をすることになるタイミングがあるからです。

 

【ファイナンスリース】

リース終了後に物件の所有権が賃借人に移転する決まりになっており、実質的に「分割払い」と同じ。リース料総額が物件価格以上となる。

 

計画納税のメリットがあるのは、あくまでも、オペレーティングリースへの出資のみです。ファイナンスリースに出資しても、いっさい計画納税のメリットがありません。

 

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