ゴルフに誘う…個人的なおつかいを頼む…前時代的な上司像はやぶの中へ葬ろう
「もっと思い通りに動いてくれれば」
「部下のふてくされた表情を見るたびに胃が痛くなる」
「どうすればいいチームができるんだろう」
リーダーのこうした悩みはつきません。
しかし、ここを解決することなく、リーダーの安心や目的達成はありません。多くの場合、仕事とはチームでやるものだからです。
当然ながら、まわりの人に指示をすることも必要な場面が多く存在します。
部下への指示の出し方で、気をつけておくべきことがあります。とにかく立場を使って、仕事以外での指示は出さないこと。
ゴルフに誘う。昼ごはんでプライベートのお願いをする。席に座ったまま自分事のおつかいを頼む。
仕事という面だけでなく、プライベートでも部下とつながることでいい人間関係がつくられていくことがあります。
しかし、上司という立場を使って、仕事以外のことでも何でも指示を飛ばす。こうした公私混同は特に、いまからの時代は逆効果になります。
もちろん人によってはそうしたお願い事に対して、「わかりました」とあなたの指示通りに動いてくれることはあるかもしれません。しかし、多くの場合、納得はしていないのです。
部下の、5段階の「わかりました」を見分ける
リーダーに感情があるように、部下にも感情があります。「わかりました」には、5段階の意味合いがあります。
1.「やります」
指示して即、「わかりました!」と言う。上司の顔を見て、笑顔で、はっきりと答える。
2.「理解しました」
一瞬の間のあとに、「わかりました」と言う。上司の顔を見て、はっきりと答えるが、笑顔ではない。
3.「考え中」
答えるまでに10秒かかる。目線は上司の顔ではなく、書類に向いている。
4.「評価中」
答えるまでに30秒かかる。上目づかいで、上司を見る。声も小さい。
5.「二度と言われたくない」
答えるまでに30秒以上かかる。「わかりました」と言いながら、そっぽを向いている。
いくら「わかりました」と答えたからと言って、それはあくまで社会人としての常識として言っているだけのケースもあります。
ですから、言葉だけを鵜呑みにする前に、この5段階をしっかりと見極める必要があります。
職場では上司と部下であっても、会社を出ると、そこでは対等な一人の大人同士である。このことをしっかりと理解しておくことが大切になります。
やってはいけないのは、上司という立場を利用してしまうことです。
忖度しなさいという空気を発したり、無礼講の場と言っておきながら、立場を持ち出したりすることを一度でもやってしまうと、もう二度と、部下はあなたと対等にはコミュニケーションをとらなくなります。
警戒心が外れなくなってしまい、距離が縮まることはありません。
多くのケースにおいて、想像以上に部下はあなたに気を遣ってくれているので、上司であるあなたは逆に部下を安心させることが大切なのです。