「対ユーロでの米ドル安」が止まらないワケ
以上見てきたように、対円での米ドル安は一段落した可能性がありますが、一方で対ユーロでは先週もこの間の米ドル安値更新が続きました。ユーロ/米ドルは、一時6月以来の1.06米ドルを超えるユーロ高・米ドル安となりました。
これは、金利差ユーロ劣位縮小の影響が大きいでしょう。
独米2年債利回り差ユーロ劣位は、15日のECB(欧州中央銀行)金融政策決定会合以降の独金利上昇を受けて、2月以来の水準まで一段と縮小しました(図表5参照)。
FRBが利上げ幅を縮小するのに対し、今後はECBの利上げ幅がそれを上回るといった見通しの影響が大きいでしょう。
基本的には連動性の強い長期金利も、先週は独10年債利回りと米10年債利回りがほとんど逆方向へ動く結果となりました(図表6参照)。
以上のような対ユーロでの米ドル安の動きがどこまで続くかは、米ドル/円にも影響する可能性があるため、引き続き注意が必要でしょう。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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