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(2) 女性の育休取得期間
同様に、産業別に2021年の女性の育休取得期間を見ると、大半の産業で1年以上が半数を超えて多いが、「医療,福祉」(「6ヵ月~1年未満」が60.9%)や「学術研究,専門・技術サービス業」(同56.2%)、「生活関連サービス業,娯楽業」(同52.8%)では「6ヵ月~1年未満」にピークがあり、やや取得期間が短い傾向がある(図表9)。また、「学術研究,専門・技術サービス業」(「3ヵ月~6ヵ月未満」が10.3%)や「教育,学習支援業」(同8.6%)では「3ヵ月~6ヵ月未満」が、「宿泊業,飲食サービス業」では「5日未満」(9.1%)の割合の高さも目立つ。
女性では、男性で1年以上が比較的多かった「学術研究,専門・技術サービス業」や「医療,福祉」などで逆に取得期間がやや短い傾向があるが、これは個人の裁量の幅が比較的大きいだけに、逆に比較的早期に復帰しやすいという見方ができるだろう。
なお、産業別に2021年と2018年を比べても、男女とも短期間の割合が低下する一方、長期間の割合が上昇しているものが多く、育休取得期間は全体的に長期化傾向を示している。
3.事業所規模別の状況~男性は小規模では2週間未満が8割、中規模では1~3ヵ月が約3割で長め
事業所規模別に見ると、男性では2週間未満は「5~29人」(81.5%)で8割を超えて多く、前節同様、小規模事業所では代替要員の確保に課題がある様子が見てとれる(図表10)。また、2週間未満は「500人以上」(55.1%)でも過半数を占めて多い。一方、中規模事業所では2週間未満は3割前後(「100~499人」:36.7%、「30~99人」:27.8%)にとどまり、「1ヵ月~3ヵ月未満」が比較的多く、それぞれ3割を超える。つまり、育休取得率は事業所規模に比例していたが、取得期間は大規模事業所より中規模の方が長い。これは大企業傘下の大規模事業所には育休取得を促進しているものの短期間の取得にとどまる産業と月単位など比較的長期間取得する産業が混在する影響と見られる。
なお、女性では、事業所規模によらず1年前後が多く、男性ほど大きな差は見られない。