情報が溢れかえっている現代において、企業が熾烈な競争のなかで付加価値をもち、生き残っていくには「ウェブブランディング」が必要不可欠です。本連載ではグッドデザイン賞の受賞歴もある事業家・デザイナーの佐野彰彦氏が、著書『経営者のためのウェブブランディングの教科書 新装改訂版』から、企業価値を高めるためのウェブブランディングの方法について解説します。
説得力のあるウェブサイトに仕上げるコツ
ここで前項で例に挙げた「日本酒のメーカー」のコンテンツ企画例を思い返してみると、全部で7つのコンテンツセットがつくられていました。これを6つのグループのどの項目に該当するかを分類したのが[図表2]です。
「地元米にこだわり、丁寧に匠が造っている工程を紹介」は「特徴」に該当、「当社のお酒の試飲体験ができるイベントの情報」は「ニュース性」に該当、というようにいちばん近しいと思えるものに分類していきます。
立てた企画に対しひととおり分類できたらそのバランスを見てみます。複数個あること自体は問題ありませんが、ひとつの分類に極端に偏っていたり、逆に出てこないものがあったりする場合は企画段階に戻って見直していきます。
この例の場合は「ラインナップ」が出てきていませんので、ラインナップに該当するような企画を補う必要があります。
大切なことはこの6つのグループすべてに対し、必ず1個以上の企画を立てることです。そうすることで全体として説得力の高いウェブサイトに仕上がっていきます。思いつきの企画だけで突っ走ると必ずどこかに偏りが出てくるはずですので、この6 Groupingの段階で、きちんと見直していくようにしてください。
佐野 彰彦
株式会社smallweb/株式会社それからデザイン
代表取締役
株式会社smallweb/株式会社それからデザイン
代表取締役
事業家・デザイナー。株式会社smallweb代表取締役、株式会社それからデザイン代表取締役。「ビジネスとデザインの統合」をテーマに活動。音楽系企業にて新規事業開発を担当した後、デザイン業界へ転身。WEB領域に強いデザイナーとしてキャリアを積み重ねる。モノの見せ方や伝え方だけを担当するデザイナーの関わり方について疑問を感じ、企業や商品のブランド開発、コンサルティングを主軸にするようになる。また、自らも事業家として、WEBサービス開発、コワーキングスペースなどを手掛ける。IT分野を得意とするデザイナーであり、事業家でもあるという経験から、現在は地域ブランディングの依頼も増えている。著書に『経営者のためのウェブブランディングの教科書』『ウェブ担当者1年目の教科書』(共に幻冬舎メディアコンサルティング)。2015年、2016年グッドデザイン賞受賞。
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