目の位置の左右差を4D新挙筋法で揃えた症例
【症例②】42歳 女性 4D新挙筋法の技術だけで、目の位置と形状の左右差も改善した症例
他院手術歴:20歳時 両瞼埋没法 (2点固定 瞼板法) その後上眼瞼のタルミが出現して二重幅が狭くなってきた。
40歳時 前額へのBOTOX注射 その後更に上眼瞼(特に左側)のタルミがひどくなり、左瞼のみ 埋没(瞼板法)手術を受ける。
希望デザイン:老けて見える眼の下のタルミと膨らみを改善させたい。BOTOXの効き目が切れた後も目の位置の左右差が著しく目立ち、切開や切除せずに左右差を改善できればさせたい。
方法:1回目 両側 下眼瞼脱脂術
2回目 両側 当院オリジナル 新挙筋法(2針4点固定法 左右で異なる挙筋度)
治療合併症:内出血・炎症(発赤・熱感・腫脹)・線維化等
ごくまれに糸露出・感染・後戻り・麻酔アレルギー等
Dr.コメント:
当院の新挙筋法の4D技術を駆使すれば、眉-目間距離・上瞼のタルミ度・クボミ度・開眼度と二重ラインの幅や形を全て同時に、最大公約数で左右揃えることが可能です。この症例もその典型例ですが、私の想像以上に「目の位置」まで揃えることができました。
この方は眼窩骨の位置に左右差があるのではなく、前医での手術のせいなのか表情筋群やタルミとクボミ等の表層レベルの左右差ですので、瞼を折畳ませる深さを調整するだけで均整が取れたのだと思います(術前の写真が歪めたり斜めに撮っていないことが確認できる様に、他のパーツを除く輪郭をシルエットで表記しています)。
この技術の奥深さは開発者にしか判りません
斯く言う私も、新挙筋法を応用すれば眼球の位置の左右差を改善できると気付いたのは、開発後数年経ってからでした。開発当時タルミやクボミのgradeに合わせて眼瞼下垂の治療に臨んでいると、それぞれのファクターのgradeにも悉く左右差がある症例があることに気付きました。
その内、左右異なる挙筋度で左右異なる度合いの眼瞼下垂の治療を試みている内に、深いクボミに対してはより深い新挙筋法を施してタルミを深く折畳むと①「眉と目の間の距離」を縮めることができるようになり、やがて(ジャグラーがお手玉の数を増やせていくかの如く)②クボミ・③タルミ・④多重ライン・⑤⑥二重ラインの幅と形・⑦⑧睫毛の形と挙上度や開眼度、そして⑨⑩目の位置と顔面全体の歪みの補正に至る1石10鳥のファクターを同時に最大公約数で揃えることができる様になりました。
ちなみに何故「最大公約数」なのかと申しますと、一つのファクターだけを完全に揃えようとすると「こちらを立てればあちら(=別のファクター)が立たず」が必ず生じるからです。つまり、別の左右差が出現するか強調させてしまうことが充分あり得るのです。従って、各個人の左右差がどの組織レベルで生じていて、開閉眼時にどう動くのかを全てメモリ―しながら個別の4Dデザインをしつつ、たった1回の手術で解決しなければならない難しさがあります。
余談ですが…
宇宙理論物理学の超弦理論では、全素粒子を構成する元の弦(ひも、STRING)は閉弦と開弦の2種類だけで、従う次元は10次元(ほかに11や26次元等の諸説がありますが、私の拙書「宇宙次元統一理論」では10次元こそが「マクロからミクロに至るこの宇宙が宇宙であるための必要かつ十分条件」を満たしていると理論証明しています)です。
今回ご紹介したのは、数多ある当院での症例の中でも極端な2例ですが、共通しているのは上眼瞼に対しては、片瞼あたりたった2本の埋没糸(STRING)しか用いていないという点です。宇宙が時空次元構造(コンテイナー)とたった2種類の弦(コンテンツ)だけで構成されていることと全く無縁ではない様な気がします。
九野 広夫
医療法人美来会 理事長