「トヨタ」が思い描く未来の自動車とは?…実現に向けての“3フェーズ”

「トヨタ」が思い描く未来の自動車とは?…実現に向けての“3フェーズ”
(※写真はイメージです/PIXTA)

日本を代表するDX先進企業は、どこも「立ち上げ」「計画」「推進」というDX推進での3フェーズが高い水準にあると、DXコンサルタントである株式会社日淺の日淺光博代表はいいます。この理解を深めるために紹介したいのが、「トヨタ」の事例です。みていきましょう。

3.推進フェーズ

現場の声を交えて推進する

具体的にどう実現するかを考え実行していくのが推進フェーズですが、トヨタではウーブン・シティの開発に大きく3つのテーマを設定しています。それがサービス開発(Service Development)、製品開発(Product Development)、顧客体験の開発(UX Development)です。現場責任者を交えて、それぞれの分野で最適な方法で推進しています。

 

サービス開発部門では、自動運転の配送ロボットを使った物流サービスの開発を実装しているとのこと。地下の専用道路を通り各家庭に配送を実施する計画です。この自動配送で特徴的なのは、荷物の積み下ろしは人の手で実施するように設計されていることです。「完全に自動化すると人の目が入らないため改善の余地がなくなる」 というのが、その理由でした。こうした考え方は、現場で実際に考えないと出てきません。推進フェーズでは現場の声がとても重要ということを、ご理解いただけると思います。

 

現場の開発工程によりスムーズに取り組むための方法として、各開発現場にデジタルツイン(リアルを再現した仮想空間)も導入されており、リアルと同じ環境を何パターンも再現することで現場の仕事が進みやすいよう配慮されているのも、推進していく社員にとってはうれしいインセンティブと言えるのではないでしょうか。

 

 

日淺 光博

DXコンサルタント

株式会社日淺 代表取締役社長

 

※本連載は、日淺光博氏の著書『難しい話はもういいんでDXがうまくいく方法だけ教えてください』(サンマーク出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

難しい話はもういいんで DXがうまくいく方法だけ教えてください

難しい話はもういいんで DXがうまくいく方法だけ教えてください

日淺 光博

サンマーク出版

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