世界の主要中銀が今週にも政策金利引き上げの見通し。市場は様子見ムードから、香港ハンセン指数は3日ぶりに反落 (画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

ハンセン指数 19,463.63 pt (▲2.20%)
中国本土株指数 6,628.30 pt (▲3.01%)
レッドチップ指数 3,663.81 pt (▲1.10%)
売買代金1,587億5百万HK$(前日1,994億5万HK$)

各国の中央銀行による政策金利の引き上げが予想される

今週は、13日14日に開催されるFOMCが最大のイベントとなることは疑いがない。そして、11月の消費者物価指数にも注目が集まる。

 

今年、米FRBは4%もの大幅な利上げを実施したが、米国経済は底堅い状況が続いている。11月は、米FRBの利上げペースが鈍化するとの期待が膨らみ、株価を反転上昇させ、S&P500は約3ヵ月ぶりの高値水準に戻した。

 

しかし、12月に入ると金利の見通しは再び不透明になり、株価ももみ合いが続いている。

 

FRB高官からの発言では、12月FOMCでは、利上げ幅が50bpsとなる可能性に触れられる一方で、今回の金融引締め局面で、政策金利は従来の予想よりも高くなる可能性が言及され、金利が長期間にわたり高止まりする可能性さえ示唆されている。

 

株式市場の安定にとっては、実際にインフレ率が鈍化すると安心できるデータが示されることだろう。しかし、それはすぐには難しいと予想される。

 

ここ直近の米経済指標では底堅い数字に支えられ、経済鈍化の兆しには程遠い感も否めない。まずは足元のインフレ抑制に注力する米当局にとって12月CPIが市場のシナリオを裏切る形になれば、インフレ警戒ムードが再燃する可能性も残り、ポジションの取りづらい状況が続くだろう。

 

グローバルに見ても今週は、主要中銀の政策決定のための会合が多く予定されている。15日には欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(BOE)が0.50%幅で利上げを実施すると予想されている。他にもスイスやノルウェーをはじめ、メキシコ、台湾、コロンビア、フィリピンなど、各中銀は政策金利を引き上げると見込まれている。

中国コロナ政策の急激な緩和で感染者急増の見方も 

中国では、新型コロナウイルスの感染抑制策を緩和する動きが急ピッチで浸透している。感染対策の一環として導入されていた個人の移動履歴を記録する「行程コード」が13日から撤廃されたほか、首都北京市では症状の軽い感染者に対して緊急ホットラインの使用を自粛する旨を通達するなど、救急医療体制の効率化を図ってきている。

 

一方で、爆発的な感染拡大のリスクもあり、医療体制が逼迫する状況は避けたいところだろう。

 

足元の中国の新規感染者数は11月のピークから14日連続で減少し、週末は約1ヵ月ぶりに本土の感染者が1万人を割った。大都市をはじめ、地方都市でも、当局は検査要件の緩和を進めている。

 

ただ、防疫措置の緩和で経済活動の正常化が期待される一方、規制緩和で感染者の急増につながる可能性も指摘されており、今後の数字にどういった影響がみられるが注視したいところである。

 

香港ハンセン指数は3日ぶりに反落

12日の香港市場は連日の大幅高から下げに転じ、ハンセン指数は3日ぶりに前日比2.63%と反落した。11月から急ピッチなリバウンド基調が続いていたが、節目となり20,000ポイントを前に売り優勢の相場となった。

 

ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は同4.05%安と反落。光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382)は12.6%と大幅反落。自動車関連株が下げに転じ、理想汽車(2015)は12.0%安、EVメーカーの小鵬汽車(9868)は11.1%安。新興メーカーのNIO(9866)は6.6%安と下げた。

 

先週末、大幅高となった不動産株で構成されるハンセン不動産指数は前日比7.53%と大幅反落。不動管理サービスの碧桂園服務(6098)は17.0%安、龍湖集団(0960)は11.0%安、旭輝控股(0884)は7.3%安だった。

 

主要銘柄も下落し、フードデリバリーの美団(3690)は7.0%安、インターネット検索の百度(9888)は7.0%安、スポーツ用品の李寧(2331)は5.6%安、保険大手の中国平安保険(2318)は4.6%安と反落した。

 

中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.87%安の3,179.04、CSI300は同1.12%安の3,953.44だった。連日大幅高だった不動産株が売られたほか、今週の主要銀の政策決定会合を控え、米利上げの警戒が高まった。
 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

 

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    Wells Global Asset Management Limited, CEO最高経営責任者 国際金融ストラテジスト <在香港>

    京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)

    シティバンク東京支店及びニューヨーク本店にて、資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004年末に東京三菱銀行(現:MUFG 銀行)に移籍し、リテール部門のマーケティング責任者、2009年からはアジアでのウエルスマネージメント事業を率いて2010年には香港で同事業を立ち上げた。その後、独立して、2015年には香港金融管理局からRestricted Bank Licence(限定銀行ライセンス)を取得し、Nippon Wealth Limitedを創業、資産運用を専業とする銀行のトップとして経営を担った。
    2021年5月には再び独立し、Wells Global Asset Management Limitedを設立。香港証券先物委員会から証券業務・運用業務のライセンスを取得して、アジアの発展を見据えた富裕層向けサービスを提供している。(香港SFC CE No. BIS009)
    世界の投資機会や投資戦略、資産防衛にも精通。個人公式サイトなどを通じて、金融・投資啓蒙にも取り組んでいる。

    ● 個人公式サイト
     「HASEKENHK.com」(https://hasekenhk.com/)

    著者紹介

    連載国際金融ストラテジスト長谷川建一の「香港・中国市場Daily」

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