写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今週は、高インフレと高金利が進むフィリピンの今後の見通しとともに、外資規制の緩和、脱炭素化の渦中にある、格安航空会社・セブパシフィック航空について解説します。

11月の消費者物価指数8.0%…前月から0.3%上昇

 

フィリピン統計局(PSA)の発表によると、11月のフィリピンの消費者物価指数は、主に食品価格の上昇を背景に、8.0%に上昇し、10月の7.7%を0.3%上回まわりました。また食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は、前月の5.9%から6.5%に上昇しました。

 

特に10月末に発生した台風の影響で、野菜、根菜、豆類の価格が前年比25.8%と急上昇しています。農業省は、この台風は、86,574ヘクタールの農地に被害を与え、農業部門に28億6,000万ペソの損害を与え、農業生産高を116,291トン減少させたとしています。

 

今後の見通しですが、ハイパーインフレが発生していますが、予想の範囲内と見られています。フィリピン中央銀行(BSP)は、今年最後の2ヵ月間のインフレ率を7.4%から8.0%と予想しています。従って、8.0%という数字はある程度予想されていたものであり、市場もこのインフレ率を深刻には受け止めていないようです。

 

金融政策面では、インフレ率がBSP予想の範囲内であれば、BSPがアナリスト予想の50bpsを上回る利上げを実施する可能性は低いとみられています。また、インフレ率の前月比上昇が緩和され始めたこと、食品価格の上昇が抑制されたことなど、明るい兆候も見られます。

 

食品価格の上昇は、台風による一過性のものであるとの認識です。ペソ高と原油価格の下落も、今後数ヵ月のインフレ抑制に役立つと考えられます。インフレ率は今後2ヵ月で8.2~8.4%でピークアウトし、その後低下傾向に転じると予想されています。

 

このような高インフレと高金利が発生する中、これに負けない高配当有力銘柄が株式市場では、注目されています。

 

石炭鉱山会社セミララマイニング(SCC:配当利回り14.9%)、SCCの親会社の財閥企業DMC(同11.6%)、通信大手PLDT(TEL:同8.7%)、電力送電会社シナジーグリットパワー(SGP:同8.6%)などです。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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