その会社「儲かっている?」「つぶれそう?」企業の経営状況が、一目でわかるようになる方法

その会社「儲かっている?」「つぶれそう?」企業の経営状況が、一目でわかるようになる方法

決算書の読み方に関する本は数多くありますが「解説本を読んだけれど読めるようにならなかった」「実際に決算書を読むのは難しい」という声をよく耳にします。しかし、専門家を目指しているわけではないビジネスパーソンに必要なのは、会社が「儲かっているか」「つぶれないか」というシンプルな2つの要点を、決算書から読み取れるようになることです。銀行員、コンサルタント、M&Aアドバイザーと「決算書を読む」仕事に約30年携わってきた著者が、キャリアのなかで確立した「決算書の読み方」のエッセンスをわかりやすく紹介します。

損益計算書は“会社の成績表”

さっそく、決算書を見てみましょう。ニトリの決算書、正確にいうと、ニトリホールディングスの連結の決算書を見てみます。グループ会社を束ねている会社を持株会社といいますが、ニトリホールディングスはニトリの持株会社です。

 

ニトリホールディングスは上場しているので、有価証券報告書を作っています。決算書には、1社ごとにつくられる個別の決算書とグループ全体の決算書である連結の決算書があります。私たちがよく見るのは連結の決算書です。


本記事ではニトリの決算書といったら、ニトリホールディングスの連結の決算書をさすことにします。決算書にはいくつかの種類がありますが、そのなかから、まずは損益計算書を見てみましょう。

 

[図表2]ニトリホールディングス 連結損益計算書(2020年2月21日から2021年2月20日まで)

 

損益計算書は、会社の経営成績をあらわしている決算書です。会社がどれだけ儲けたかがわかります。損益計算書は、英語ではProfit and Loss Statementですので、略して、PLということが多いです。

 

本記事でも、損益計算書をPLと記すことにします。決算書をはじめて見る人には、難しそうな漢字と数字の羅列にしか見えないでしょうけれど、大丈夫です。決算書を読めるようになると、このなかでどの数字を見ればいいか、そして、どういう意味なのか、わかるようになります。

収益と利益の違い

PLで計算しているのは利益です。利益は収益から費用を差し引いて計算します。

 

利益=収益−費用

 

[図表3]

 

いくら得たかが収益で、いくら使ったかが費用。収益から費用を引いて残ったのが利益。シンプルですね。この式はとても重要ですので覚えてしまってください。

 

このあとも何度も出てきます。「収益」と「利益」って、日常会話では、あまり区別して使っていないかもしれないけれど、会計の世界では、使い分けています。会計が一般的にわかりにくいといわれるのは、こういった専門用語がたくさん使われるというのも理由の一つです。専門用語は覚えるしかありません。

 

といっても基本的な専門用語の数は、そんなに多くありません。英単語を覚えるように記憶力でがんばるというのではなく、一つ一つを丁寧に理解していくのがいいでしょう。収益や費用にはいろいろな種類があります。収益や費用を分類して、一定の順番でならべてあるのがPLです。

 

前田 忠志

公認会計士

本連載は、前田忠志氏の著書『「会社の数字」がみるみるわかる! 決算書のトリセツ』(実務教育出版)から一部を抜粋し、再構成したものです

「会社の数字」がみるみるわかる!決算書のトリセツ

「会社の数字」がみるみるわかる!決算書のトリセツ

前田 忠志

実務教育出版

「決算書を読めるようになるのは、実は、結構簡単です。英語、IT、会計がビジネスパーソンの3大スキルなんて言われていますけれど、コスパが高いのは、会計です。」 決算書の読み方に関する本は数多くありますが、途中で挫折…

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