(※写真はイメージです/PIXTA)

一部の富裕層を除いた多くの人にとって「最初に買った家=終の棲家」でしょう。そこで避けられないのが「リフォーム問題」です。そして、リフォームを前提に自宅、なかでもマンションを選ぶ場合、「14階建て以下の物件」がおすすめだと、マンショントレンド評論家の日下部理絵氏はいいます。なぜ15階建て以上の物件ではダメなのか、みていきましょう。

事例:64歳糸井さんのケース

【事例:買い替えよりもフルリノベーションを選択した糸井さんのケース】

 

・家族構成……糸井正さん(夫)64歳、妻62歳、子供1人(長女34歳)、孫1人(2歳)同居
・資金概要……住宅ローン返済中、わずかに残債あり

・物件概要……3LDK 74.08m2/14階建て14階/築33年62戸/最寄り駅 徒歩5分
・リフォーム後の間取り……3LDK+WIC
・かかった費用……約680万円(現金払い)

「リフォーム」と「リノベーション」の違い

リフォームする際に必ず出てくるリノベーションという言葉。リノベーションは比較的最近出てきた言葉でリフォームと同じように使用されていることが多い、実際に違いはあるのだろうか。

 

一般的にリフォームとは、壊れていたり、汚れていたり、老朽化したりしている部分を直して新築の状態に戻すことをいう。壁紙の張り替え、ユニットバスの入れ替え、キッチン設備の交換などがリフォームに該当する。

 

一方、リノベーションとは、既存の建物に大規模な工事を行い、住まいの性能を新築の状態よりも向上させたり、価値を高めたりすることをいう。

 

たとえば、デザイン性の高い住まい空間に改良、テレワークができる間取りに変更、耐久性や耐震性を高めるため壁を補修、壁の仕切りをなくし広々としたリビングダイニングキッチンにするなどがリノベーションに該当する。

 

リフォームが元の状態に戻す(マイナスからゼロにする)ための機能回復だとしたら、リノベーションは新たな機能や価値を向上させ(マイナスやゼロからイチ以上にする)ことである。ライフスタイルや生活環境にあわせてアレンジできるので、近年リノベーションの人気が高まっている。

 

リノベーションはスケルトン・リフォームともいい、すべてを解体し、構造躯体だけにして改修を行うことも多い。部分的な改修を行うリフォームに比べて、工事の規模が大きい。

 

国交省実施の「令和2年度住宅市場動向調査」によると、リフォーム実施世帯における施工者に関する情報収集の方法については、「以前から付き合いのあった業者」が34.7%で最も多く、次いで「知人からの紹介」が26.3%、インターネット12.3%と続く結果が出ている。

 

建築基準法で「居室」とは、生活や仕事のために人が長時間過ごす部屋のことで、「採光に必要な窓などの開口部が床面積の7分の1以上」「換気に必要な開口部が床面積の20分の1以上」といった面積の最低ラインが定められている。

 

また、2003年建築基準法の改正で、シックハウス対策のための24時間換気システムが義務付けられた。

 

24時間換気システムとは、窓を開けなくても外気の空気を室内に取り入れ、室内の空気を外に排出する設備をいう。つまり室内を換気して常に空気の入れ替えが行われる仕組みのこと。03年以前に建築された住宅だと設置されていない場合もある。

 

この24時間換気システムはコロナ禍で需要が高まっている設備でリフォーム時に後付けできる。

 

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※本連載は日下部理絵氏の著書『60歳からのマンション学』(講談社+α新書)から一部を抜粋し、再編集したものです。

60歳からのマンション学

60歳からのマンション学

日下部 理絵

講談社

私たちは、本当にマンションを終の棲家にできるのか? 2030年、分譲マンション約780万戸のうち、築30年以上が過半数を超える。現在、安全・安心・快適なマンションへの永住指向が強まる一方、自らの老いとマンション老朽化…

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